「どうしたんですかご主人様、その格好……?」
 「ご主人様、とはお戯れを。貴女は姫君で、私は隣国の王子。決して結ばれぬ……はずの、間柄でしょう」
 いつものだるそうな様子とは全く違う、丁寧な口調で訂正しながら自称王子は歩み寄ってきた。
 ボサボサに乱れて海藻のようだった髪の毛は真っ直ぐに伸び、丁寧に揃えられて清潔感を出している。
 猫背気味の姿勢もピシっと伸びている。いつも半分寝ているような目はしっかりと開かれている。
 一挙一動に気品すら感じるほど――物腰が、まるで別人であった。
 そして、マルカとて当然知らないわけではなかったが――

 「今日は貴女を、私の伴侶にするべく参上致しました」

 ――真面目な時のハルは、満月と釣り合う程の美青年である。
 「……!!」
 息が触れ合う程の距離で、顎元を優しく掴まれ、くい、と上げられれば。
 「あ、あれ……ご……ごしゅじんさま…………ですよね……?」
 それだけでマルカは、彼の芝居に騙されてしまいそうになる。
 思考が定まらない。鼓動の高まりは止まらない。
 「――――っ!」
 あまりにも優しい口吻が、ダメ押しとなった。
 なんでこのような状況になったのかなど、考えられない。
 頭が真っ白になる。目に映る光景以外は、意識の外へと追いやられる。
 二人の口が離れて、マルカは少し涎を垂らしてしまった事にも気づかなかった。
 「目は覚めましたか、姫様?」
 「はぁっ…………はぁっ…………はい、お、王子様ぁ……」
 変貌してしまった。
 恋する少女に。物語のお姫様に。
 そんな姫君の腰に王子は手を回す。硝子細工でも撫でるかのように、柔らかく。
 「ああ、なんと言う美しさ……貴女の前ではどんな美女も、花々も、霞んで見える……夜空を照らす月だって、貴女の美貌の前では恥じらい、顔を隠すでしょう」
 「……!!」
 歯の浮くようなその台詞は、マルカにとって。
 世界で一番美しいと言われているのと同義だった。
 「貴女と、共に生きていきたい……いや、この美しさを目に欲望を隠すことなどできない」
 ほんの少しだけ力を込めて、マルカを抱き寄せる。密着させる。
 温もりの中で鼓動の音が聞かれるような気がして、マルカは息を荒く吐いた。
 「貴女を……私のものにしたい。ずっと、ずっと……いつまでも、愛で続けたいのです。
 姫様……私のものに、なってくれますか?」
 「…………」
 今ここで『はい』と言えば、もう後戻りはできないだろう。
 それは今この場に限ったことではない。きっと、完全にこの人のものになってしまう。
 この人の心と身体を求めるだけで、人生が終わってしまうだろう。

 (あいして、あいされて、あいをだして、あいをからだにそそぎこまれて……
 おかしくなっちゃうほどいっぱいいやらしいことをされて、きがくるってしまうほどひどくてはずかしいことをされて、なんどもなんどもきもちよくて、やさしくて、あったかいことを……ずっと、される。……して、もらえる…………)

 女である身体そのものが言っている。直感的に感じたのだ。
 堕ちてしまう、と。
 身体も、心も叫んでいた。
 堕ちてしまいたい、と。
 この人のものになりたい、と。

 「私、は……あなたのもの、です……どうか、私に、ずっと……
 甘い夢を、見させて下さい……」

 潤む瞳。舌がもつれそうなほどの、たどたどしい口使い。
 愛しいその少女を自分のものにするべく、小さな身体をドレスの上から指先で撫で上げる。
 背中に回していた手を上にゆっくりと滑らせる。襟から素肌の首筋に触れた瞬間、少女は絶頂を迎えたかのように急に身体を反らし、小刻みに震えた。
 「ふあぁっ……!!」
 うなじを往復するようになぞると共に、反対の手を彼女の腿へ下ろす。
 軽く突くように、とん、とんと叩くと、呼応するかのように少女の息が漏れる。
 吸い込む瞬間を狙って、また唇を盗む。
 そして目を見開くマルカの小ぶりな尻を円を描くように触った。
 (なに、これ……!?)
 触れられる度に身体が熱を帯びる。
 こんなに優しくされているのに、もう体中汗まみれになってしまっているのだ。
 こんな事はマルカの経験にはなかった。
 男女の交わりと言えば、嫌がる女の穴に男が棒を捩じ込み、苦痛と気持ち悪さの中で汚らわしい白濁液を吐き出されるだけだった。
 (こんなの、知らな――)
 既に股が湿り気を帯びている事にすらマルカは気づかず、未知の感覚に溺れる。
 そんな状態の中で。
 ハルはマルカの真っ赤な耳を唇で噛み。
 舌で軽く、中を愛撫してやった。
 「ひゃ、あ、あああああああああああああ!!!!!」
 悲鳴を上げながらマルカは身体を大きく痙攣させた。
 電気を流し込まれたような感覚が子宮から脳を貫く。
 何がなんだかわからないまま、快楽と恐怖と混乱で力の限りハルを抱きしめた。
 (すごい……わかんない……っ! なんなの……!?)
 服も脱がされることなく、性器を弄られることもなく。
 マルカは人生初のエクスタシーを迎えて、涙をぽろぽろと流した。
 脱力し、ハルにもたれかかるマルカ。それを、優しくベッドに押し返し、仰向けに倒した。
 「おや、イってしまいましたか。なんと可憐な姿でしょう……姫様、お洋服を脱がせますよ」
 「はっ……っ……はい……」
 まだ挿入はおろか性器を隠したままにも関わらず、この有り様だ。
 (セックスなんてしたら……本当に、頭が変になっちゃうかもしれない……)
 痴態を見られた事もあって、上気した顔でそんな事を考えた。
 しかし、やめると言う選択はなかった。
 (……変になってもいい。……ううん、きっと違う。変になってしまいたいんだ。この人に、溺れて……愛されたい……)
 するりするりと、流れるようにハルはドレスを脱がせていった。
 恥ずかしい一方で早く脱がせて欲しいと言ったように少しだけ抵抗するマルカの手。指先で触れると、その力はゆっくりと抜ける。
 しっかりと付け替えさせられていた下着に手をかける頃には、マルカはもうなすがままとなっていた。
 一糸纏わぬ姿になった姫を見て、王子が感嘆のあまり言う。
 「美しい……」
 「……!」
 その呟きが本心のように聞こえて、眼の奥が熱くなった。
 健康的で心安らげる生活を送れたおかげか、傷や痣もほとんどわからないほどに綺麗になっている。近いうちにも完治するだろう。
 女性器だって、自分で見ても惚れ惚れするほどに整っていた。
 一生のコンプレックスになるはずだったそれも、完全に治してもらったのだ。
 感謝しても、しきれない。
 「あり……がとう、ございます……っ!」
 そう言うので精一杯だった。
 もっと他に言いたいのに。何度も何度もお礼を言いたいのに。
 拾ってくれたこと。
 嫌がることはしないって言ってくれたこと。
 なんでもわがまま言っていいって言ってくれたこと。
 自分の部屋を与えてくれたこと。
 暖かくておいしいご飯を出してくれたこと。
 ご飯をおいしく食べるだけで喜んでくれたこと。
 温かい寝床で一緒に寝てくれたこと。
 一緒に遊んでくれたこと。
 傷だらけの身体でも好きだって言ってくれたこと。
 満月に甘えていいって言ってくれたこと。
 遊園地に連れて行ってくれるって約束してくれたこと。
 満月と服を買いに行かせてくれたこと。
 両親に利用されそうになって泣いてる時に慰めてくれたこと。
 自暴自棄になった時に、ちゃんと止めてくれたこと。
 飛び出していった自分を、裸足で探しまわってくれたこと。
 寂しい時に、ちゃんと抱きしめてくれたこと。
 可愛い妹がいて幸せだって言ってくれたこと。
 大事な存在で、お前が必要だって言ってくれたこと。
 プレゼントをいくつも買ってくれたこと。
 家族になってくれたこと。
 今この瞬間、夢の様な体験をしていること。
 
 「ありがとうございます……ご主人様……わたし……すごい、幸せ……です……!」
 もう一度、心を込めて。マルカはそう言った。
 ご主人様、と呼ばれてしまったハルは困ったように笑って、彼女の頬を撫でる。
 「まだ私のものになるには早いですよ、姫様」
 今度は自分の服を脱いでいく。ボタンを外し、ベルトを取って、下着を下ろす。
 崛起した男性自身がマルカの目に入った瞬間。
 (私、今……凄い興奮してる……)
 マルカの下腹部がきゅっと締まった。
 (あれが……おちんちんが、欲しいんだ)
 それが愛おしい。
 優しくされて、激しくされて、乱れさせられたい。
 マルカは生まれて初めて、自分が女であることを幸運に思った。
 「きて……きて、下さい……っ!」
 拮抗していた恥じらいと性的欲求は、ここでバランスを乱した。
 いやらしい女だと自嘲気味に思いながらも、自分の花弁を指で開いて、それが来るのを待った。
 もうしばらく胸や尻、性器付近を愛撫し、段階を踏んで気持よくさせてやろうと思っていたハルはそれに戸惑う。
 も。
 「はしたない子で、ごめんなさい……でも、お願いします……!」
 切なそうな瞳で見ながら、恥ずかしいのを我慢している少女の顔と。
 早く貫いてくれとひくひく歪動し、涎を垂らしている可愛らしい膣口に。
 焦らしてやるのは王子様の役ではない、とハルは判断した。
 「大丈夫、エッチな姫様も可愛らしいですよ」
 そう言って、ペニスをそこに密着させる。
 粘膜が少し触れるだけで、マルカはまたびくんと大きく反応した。
 恐らく、挿入した瞬間にまた絶頂してしまうだろう。
 (私、今日……何度いかされちゃんだろう……)
 不安と期待が入り交じる中で、マルカは密着部をじっと見つめる。
 「準備は大丈夫ですか?」
 優しく尋ねるハルの声に、マルカは息を飲んでから答えた。
 「いつでも、大丈夫です……好きなように、動いて下さい……」
 ハルは頷いて、行きますよ、と小さく呟いた。
 そして。   
        ・・・・・・・・・・・
 ハルの剛直が、マルカの処女を食い破る。
 
 「~~~~~~~~!?!?!?」
 二度目の、絶頂。
 マルカは天にも昇る気持ちよさの中に、破瓜の痛みがあることにひどく驚いた。
 (嘘……!? なんで……!? 私は、処女じゃ……!)
 結合部を見れば、確かに血が僅かに垂れている。
 快楽のあまり頭がうまく回らないマルカの耳元で、ハルが囁く。
 「確かに頂戴しましたよ、マルカ姫の純潔」
 「あ――」
 その言葉を聞き。何故処女膜があったかなんて、一瞬でどうでもよくなった。
 愛しても愛しても足りない人に、初めてを捧げられた。
 それだけで。過去の出来事の方が夢だったんじゃないかとすら、マルカには思えた。
 「痛く、ないですか」
 一突きで腰の動きを止める優しい王子様の言葉。
 マルカは涙をぼろぼろとこぼしながら、それにはっきり答えた。
 「痛い、です。けど、痛いのもすごい気持よくて、幸せで、大好きです。続けて下さい」
 ハルは微笑むと、ペニスを引き抜いて、もう一度。今度はゆっくりと、奥まで差し込んだ。
 「あぁ……っ」
 全身に波のように広がる心地よい刺激。僅かな痛みが膣口を締まらせ、快楽は更に深く、甘くなる。
 ハルは夢心地で呼吸するマルカの口へキスをして、舌を絡ませる。
 「んっ……んっ……」
 瞳をすっかりとろけさせ、自分から舌を動かして求めてくるマルカ。
 これまで全く触らなかった小さな乳首。それを弾くとすぐに動きが止まってしまう可愛らしい少女の舌を、ハルは優しくエスコートした。
 使い込まれて広がっていたはずの少女のヴァギナは、女医の手によって『全て』元通りにされてある。
 少し腰を動かすだけで亀頭にひっかかる、幼い穴。その味を愉しみながらも、ハルは自分より相手を気持よくさせることを優先する。
 と言っても。
 「好きっ……! 好きっ……! ご主人様、大好きですっ……!」
 すっかり女の顔になり自分から腰を振っているマルカは、もはや何をしても自分より快感を得るだろう。
 だからハルは一番奥に射精してやることに決め、少しだけ腰の動きを激しくする。
 「あっ、あっ、あっ、あっ……」
 その動きに合わせて小鳥のように高い声で鳴くマルカ。
 幸福の絶頂の中で、精を放たれる。
 「ああああああああああああああああああああっ!!!」
 女の奥に熱を持った愛を注ぎ込まれたマルカは、ハルの首に回していた腕にぎゅっと力を入れてそれを受け入れた。
 ハルもそのまま、マルカを抱きしめる。
 「……これで貴女は私のものです。ずっと離しませんよ、マルカ姫」
 「はぁ……はぁ……だ、だったら……んっ」
 マルカは息を切らせながらも、ハルの口にむしゃぶりついた。
 舌の動きで愛を伝えるように、口内をすみからすみまで味わう。
 そしてたっぷりと口を貪った後で。
 「はぁ……はぁ……好きなだけ、壊れるくらい、私の身体を、使って下さい……」
 まだ恥じらいを捨てきれないまま、そう言う。
 「でも、あの、激しい方がいいんですけど……ちょっとだけ、優しくしてくれると……嬉しい……です……」
 もじもじしながらどんどん小さな声になるマルカに、ハルは微笑んでキスを交わす。
 「お任せ下さい、お姫様」

 その日は夜が明けるまで、少女の嬌声が館に響き渡った。










 日が西に傾きかけた頃、マルカは目を覚ました。
 いつもの部屋で、いつもの寝間着のまま。
 「……夢……」
 ではない事はすぐわかった。下腹部に違和感を覚えたからだ。
 パンツを脱ぐと、そこには小さめサイズのディルドが挿入、固定されていた。
 「…………なにこれ」
 もう何が起こっても驚かないマルカがそれを引き抜くと、精液がどろりどろりとたっぷり溢れ出る。
 ディルドにはロシア語でこう書いてあった。
 『お誕生日プレゼントその3です。いい夢は見れましたか?』
 「………………」
 ありがたいようなげんなりするような微妙な気持ちで、マルカは風呂場へと向かった。

 「おはようございますマルカ。どうでしたか、プレゼントは」
 身体を洗い終わった後でリビングへ行くと、満月が微笑みながら歩み寄ってきた。
 「おはようございます。2つ目は最高でしたけど3つ目はけっこうぶち壊しでした」
 「あらあら。私が啜ってあげた方がよろしかったですか?」
 「…………」
 マルカはしらっとした目で満月を見るも、返ってくるのは嬉しそうな微笑みだけだった。
 「……2つ目は、本当に、最高でした」
 ちょっとだけ照れたようにそう呟くマルカを、満月は優しく抱きしめる。
 「そうですか。それは何よりです」
 「……」
 「どうかしましたか?」
 少し表情を曇らせるマルカ。
 申し訳無さそうに、顔を伏せる。
 「私、やっぱり、ご主人様の事が……でも……」
 自分がハルと結ばれたら、本来いるべき場所にいるはずの満月はどうなるのか。
 二人の関係を知りながら、満月よりハルのことを愛しているなんて言うことはできない。
 でも、自分の気持ちに嘘はつくこともできない。
 わかっていながらも、どうしても……自分が、ハルのお嫁さんになりたかった。
 「マルカ」
 満月が、言葉を遮る。
 「貴女は、幸せですか?」
 「はい。間違いないです」
 即答。
 胸を張って言える。マルカは今、最高に幸福だった。
 「前も言いましたが、ご主人様も私も、マルカの幸せを心から願っています。
 そして貴女が抱く全ての懸念は、私が振り払ってみせます。
 どうか私を、信じて下さい」
 「……!」
 そう。目の前にいるのは、誰よりも頼れる姉だった。
 これまで何度も支えてくれた彼女が信じろと言うのだ。
 信じなければ、これまでの恩に報いることができない。
 「遠慮など許しません。ご主人様に……思いを伝えてきなさい」
 「…………はい!
 私一人じゃなく、満月さん……お姉ちゃんも幸せになれるように……私も頑張りますから!
 お姉ちゃんの幸せは、私の幸せです!!」
 力強く頷いて駆けていく妹の背中を見て、満月は涙を流した。
 それは後悔の涙でも寂しさの涙でもない。
 「…………マルカ…………!」
 歓喜の、涙だった。

 「すー……はー……」
 ハルの部屋の前で深呼吸し、ドアノブに手をかける。
 「……失礼します、ご主人様」
 部屋に入ると、ハルは詰将棋の本を寝転がって読んでいた。
 いつものように上下スウェットで、ちょっとだけボサッとした髪型。
 昨夜の王子様と同一人物とは思えない。
 思えないが、そんなことはもはや関係なかった。
 「おうマルカ。夕べはお楽しみでしたね」
 「ご主人様だって楽しんだじゃないですか。あんなに優しくしたり激しくしたり……本当に死んじゃうかと思ったんですからね」
 その口調に全く怒りはこもっていない。
 恥じらいは、未だ残っているが。
 「いやー悪い悪い。なんせずーっとおあずけされてきたご馳走だからな。ロリの子宮に貯めておいた三日分の精液たっぷり出させて頂きやした。ごっぞさんです! マルカ先輩の処女まんこめっちゃキツくて最高っした!次はケツぶっ叩きながらバックで突きたいっす!」
 本当に同一人物とは思えない。最低の発言だった。
 最低だったが、マルカにとって彼は最高であることに違いない。
 「……ありがとうございました、本当に」
 「え、今の台詞に礼を言われるポイントあった……?」
 スルーしてマルカは続ける。
 「満月さんとも話しました。私、世界で一番ご主人様が大好きです。どうか私と……結婚して下さい」
 頭を下げるマルカに、ハルも寝転がった姿勢から起き上がる。
 ハルも行為の途中で大体は察していた。
 マルカを幸せにしてやりたいが為の芝居の結果。マルカは、最大の幸福をそこで見つけたのだと。
 「……そっか。それがお前の、一番の幸せってわけか」
 頭を上げる。その瞳に迷いは見られなかった。
 「はい。私の本心です。あんなことされたら、本気で好きになっちゃうに決まってるじゃないですか。責任はきっちり取ってもらいますよ」
 「大変だぞー俺の世話は。嫁になんてなったら、きっとうんざりするぜ」
 「大丈夫です。満月さんみたいにはなれないかもしれませんけど、できることならなんだってします。どんな恥ずかしいことや痛いことされても絶対に嫌いになんかなりませんよ。
 私は、ご主人様のものにされちゃったんですから」
 顔を染めながらも微笑むその顔は、姉にほんの少し似ていた。
 「満月じゃねーんだからよ。それに俺は知っての通り浮気症だから、満月はもちろん色んな女に手を出すかもしれないぞ」
 「いいですよ、別に。好きなだけ浮気して下さい」
 平然とそう言うマルカに、ハルは本格的に満月の影響を伺った。
 「でも」
 マルカは近づいて、ハルのスウエットを下着ごと下ろした。
 まだ小さいままのペニスに、ぱくんとかぶりつく。
 「おお、どうした急に」
 嬉しいサプライズに驚くハル。
 マルカは心を込めて奉仕し、それを勃起させると口を離して頬ずりする。
 「私と満月さんを毎日たっぷり可愛がってくれるなら、ですけど」
 「……ワガママ言うようになったもんだ」
 ハルは優しくマルカの手を引いてベッドに誘い込んだ。
 「ちょ、ちょっとご主人様! お尻はまだ早いです!」
 「よいではないかよいではないかー! 嫁になるならこの程度は序の口だぞ! ほーら嫌いになったか!」
 「ぜ、絶対に嫌いになんかなってあげないんですから! ひゃあああ!? おへそにおちんちんは入らないですよ!」
 「満月は入るんだなーこれが! キョーキョッキョッキョッキョッ! 貴様も俺のオナホールにしてくれる!」
 「きゃーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」
 
 その日も太陽が沈むまで、少女の悲鳴が館中に響き渡ることになった。
 





 
 「ま、どっちにしろちゃんと学校は行けよ。んでちゃんと友達作ること。いいな」
 「……はい。ねぇ、ご主人様」
 「どうした?」



 「ずっと……あの夜みたいに、甘い夢を見させて下さいね」

 「お任せ下さい、お姫様」























 それから。
 数年の時が流れた。