「TITI'~~~~~~Sッ! キッチ~~~~~~~~ン!!!!!! いぇーーーーーーーっぃい!!!!」
 「いえーい……ぱふぱふぱふ……」
 (先生、どうやら俺は道を誤ってしまったようです。後悔はしていません。が、ワダツミを巻き込んだ事だけが心残りです)
 「どうしたんですかグロウ様うかない顔して! パーリィですよパーリィ! 全国6億人のカニバリスト及びハードリョナラーの皆さんお待ちかね、美少女妖精解体ショーの始まりや!」
 異様なテンションのティティと、瞼にマッチ棒でも挟めそうな顔をしているワダツミ。
 「……いや、お前も懲りないなと」
 一発ネタだろうとばかり思っていたグロウは一瞬現実から逃げてしまいそうになった。
 魔女のような黒づくめの格好をしてえーひっひと笑う妖精に、呆れを通り越して可哀想なものを見る目を向ける。
 「私は辞書なんて持ってないんです! やりますよ! 今日こそ同じ値段で美味いティティちゃん定食を味あわせてあげましょう!」
 (……何と同じ値段なんだ)
 いつも以上に気合の入っているせいか、よくわからない事を口走るティティ。
 が、思えばいつもの事であった。
 「……できるのか?」
 「出来らぁっ!」
 自信満々にガッツポーズをする妖精。
 (ああ――
 
 ――不安しか、ない)

 


 ◯ティティパフェ
 「いい感じに前フリしてくれましたけどね、今日はガチですよ! ガチセレクト! 割と本気で美味い上に見た目もいい感じのお料理です!!!」
 そう言って指を弾くと出てくるは、ワゴンを運ぶワダツミ。料理にはクロッシュ……銀色の蓋が被せられている。
 「どうぞっ!」
 ワダツミがそれを取ると、中にあったものは。
 波打った大きなグラスに鎮座する、それぞれ混ざらないように配置された小豆と抹茶アイスとチェリー。
 その上に渦を巻いた生クリーム、そしてオレンジに添えられるチョコ菓子。
 「これは、確かワダツミと出会った店の…………だが、少し形状が違うか……?」
 「そう! これはラ・シャンゴの裏メニュー、常連限定の一日五個限定特製あんみつパフェです!!!」
 (……いつ常連になったんだ)
 しかもテイクアウトとは、相当に通いつめたのだろう。
 いや、下手したら魔法を使ったのかもしれない。こんな事に。
 「この芸術的スイーツをこれから更にエヴォリュートします。私自らが加わる事によって!!」
 とぅあ! と叫んでその中に身を投じるティティ。
 「むごごごご……」
 五秒ほどパフェに上半身を突っ込んで身動きがとれなくなり惨めな姿を晒すも、どうにか中に潜り込む事に成功したようだ。
 しばしの沈黙の後、全身が生クリームに塗れた妖精がのそのそと出てきて外のアイスに腰掛けた。
 「どうです! あ、顔がクリームで真っ白だとギャグだわ……」
 ごしごしと顔を拭う妖精に対しグロウは、
 (…………一応ギャグでやっていたわけではなかったのか)
 と安心したような更に残念なような複雑な気分に浸った。
 「どうです!」
 「………………………む」
 両手を差し出すように向けるティティ。
 その小さく幼い体は、全身が真っ白にコーティングされていた。
 自らの二の腕を口に運び、ぺろりとひと舐めして微笑む。
 「うん、美味しい」
 舌が通りすぎた後は彼女の柔らかそうな地肌が覗く。
 「食べごろ、ですよ」
 チェリーを抱きかかえて見つめる彼女は、媚薬を練り込んだ砂糖菓子のような、アンバランスな存在だった。
 それは見た目に確かに妖艶で、どこか儚げで。
 グロウの目にも、美味そうに見えた。
 「……この間のあれは何だったんだと言うくらいの変わり様だな」
 「あれはちょっと、食べられたいのが先行しすぎてた感があります」
 目をそらして凶行を省みるティティ。
 「ですが! 今の私は芸術的とろあまスイーツ! お肉のはずなのに不思議と甘味にマッチする(んじゃないかなーって)ぷるぷるボデーは臭みも無くてちゅるんと喉を通りますよ!
 妖精皇女が舌を楽しませるし下も愉しませる豪華絢爛倒錯的犯罪度MAXこんなことやってんの見られたらお天道様の下を歩けなくなる系パフェを合法的かつロハで食べられるなんてどの宇宙を探してもグロウ様以外にいませんぜ!さあさあどうですさあどうです!」
 早口でまくし立てるティティ。
 そう思うならもう少ししおらしくした方が効果的なのではと思ったが、グロウは黙っておいた。
 それ以上に、口を開きにくい理由もあったのだ。
 「…………ティティ、その……なんだ。非常に言いにくいのだがな」
 「えー? あまりにも綺麗すぎて食べるのが勿体無いってー? いやーんグロウ様そこまで褒められると流石の私でも照れちゃいますよー!
 大丈夫です、ご希望でしたら何回でも同じ事やって差し上げますから! 美しいものはぶっ壊してこそ意味があるんですから……」
 
 「……俺は甘い物が苦手なんだ」
 「」
 
 誤算だった。
 落ち着いて考えれば、グロウの物静かかつ苛烈な風貌と、身に纏うストイックな雰囲気。
 スイーツを食べそうかと聞かれたら、間違いなくNOだ。
 落ち着いて考える事などそうそうないティティは、グロウの味の好みも聞かずに自分の好みからアイディアを思いつき即実行する。
 結果。
 「お前の努力は認める。少しはまともに考えるようにはなったなとは感心した。が……すまん。どうも、食えない」
 「そ……そんな……」
 がくりと前のめりになった妖精はそのまま倒れてグラスの縁に頭をぺこっと打ち付ける(妖精基準だと結構痛い効果音である)。
 自分のわがままと異常性癖を押し付けるために相手に相談の一つもせずに突っ走ったティティに非があるようにも思えるが、グロウはすっかり奇行に慣れてしまったのでそうは感じなかった。
 むしろよくやった方である。前回を考えれば尚更だ。
 「ふざけないで下さい! ここまでやらせておいて食えないとか何様ですか! 責任取って食べて下さいよ!」
 (……お前が何様だ)
 自分で勝手にやっておいて涙目で喚くティティだが、その表情は怒りと言うよりはいじけている風に見て取れた。
 食べられたいと言うのも勿論あるが、最近構って貰えるのが減った事に対する寂しさもあるのだろう。
 やれやれ、とグロウはスプーンを手に取る。
 「……まあ、せめてもの労いだ。少し虐めてやる」
 それを聞いたティティが一瞬餌を差し出された野良猫のような表情になったのを、グロウは見逃さなかった。
 が、見逃した事にしておいた。
 「そ、そんなことで誤魔化されるとでも……!? 私の溜まりに溜まったMP(マゾポイント)がたかがスプーン如きで消費されると思ってるんですか……!」
 ぷい、と顔を背けるティティ。


 五分後。


 「いやあああああああん!! ぐ、グロウ様! そんな所をグリグリしちゃったらお股からえっちなシロップが出ちゃいましゅぅぅぅぅぅぅ!!!!」
 面白いくらいに誤魔化されていた。
 尻の割れ目にあてがわれた冷たいスプーンはティティの官能を激しく刺激して、顔をだらしなく弛緩させる。
 手足をじだばたと動かすも、クリームと溶けかけのアイスの中では逃げることもできず。
 結果として溜まりに溜まったMPはたかがスプーンによってゴリゴリと凄まじい勢いで消費される事となる。
 (……まあ、どうせすぐに溜まるんだがな)
 うつ伏せの状態から尻を浮かせて痙攣する小動物からふと目を離すと、じとっとした目で妖精の痴態を眺めている少女が片隅に立っていた。
 (……すっかり忘れていた)
 ぐっすり寝ている所を無理矢理魔法で操られ、意識のあるかないか曖昧なままパフェを運んで以降特にすることもなく待機していたワダツミが、ティティの尻を凝視している。
 口の端からは、魔法の影響かそれとも限定スイーツを目にしたせいか溢れて落ちそうになっている、涎。
 (折角の限定パフェだ、食わないのも勿体無いだろう)
 「ワダツミ」
 「はいでござる……」
 ティティのみならずグロウの呼びかけにも答えるワダツミ。
 それを確認し、グロウは続けて言った。
 「食べていいぞ」
 「いただきますでござる……」
 言い終わらない内にふらふらとパフェに歩み寄るワダツミ。
 半分寝た状態でもタイムラグ一つ無く行動に移る辺り、よほど食べたかったらしい。
 「一応、ティティは飲み込まないでおけ」
 「了解致しました……」
 スプーンを手渡されるや否や、崩れたクリームやアイスをポンポンと口に運んでいく。
 操られた状態のため表情の変化も無く感想も言わないが、手の動きは緩むことは無かった。
 半分ほど腹の中に放り込んだ後、肩で息をしているティティへとその手が伸びる。
 「……ふぇ?」
 いつぞやのように持ち上げられた後、ぱくんとワダツミに咥えられてしまった。
 「ちょ、ちょっとワダツミちゃん……!?」
 止めろ、と命令を出すより早く、丁度乳首と裏側の背中の辺りに鋭い圧力がかかった。
 「あ~~~~~~~~~~~~~~~っ!!!!!」
 噛み砕かれこそしなかったが、十分に性感が高まった後のその痛みはティティにとっては絶頂に至るに十分過ぎるものだった。
 ワダツミも、甘くて舌触りの良いそのスイーツをたっぷりと味わう。
 前に陵辱を食らった時の記憶が奥底にあるらしく、この妖精が美味であると言う印象が舌と歯を激しく動かさせる。
 奥歯に力を入れると、かりっと言う音と共に右腕が折れた。
 「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!」
 全身を舌で愛撫されながらの鈍い痛み。生粋のマゾヒストであるティティは、快感のあまり寝転がった姿勢からぴょんと飛び跳ねてしまう。
 「わ、ワダツミちゃんストップストップ! だめ! これ私バカになっちゃうから! 気持ちよすぎてクルクルパーになっちゃうから!!
 シリアスパートガン無視でひたすらエッチするだけの話になっちゃうから!!! タイトルが『脳内真っピンクド淫乱痴女妖精ティティちゃんのセックス道中記』に変わっちゃうから!!!!」
 ぴたり。
 術者の制止により、ワダツミの口撃は一時的に止まる。
 はー、はー、と肩で息をするティティが脱出しようとしたその時。
 「大丈夫だワダツミ。ティティは元からバカだ。続けろ」
 グロウの非情な一言によってその出口が閉ざされた。
 「何で私よりグロウ様の命令が優先なの!?」
 そして再び、ワダツミの口内で拷問が始まる。
 ぱきっ、ぱきっ、ぱきっ、とリズムよく四肢が破壊される様は事情を知らない者にとっては凄惨たる光景だが、ティティにとってはこれ以上ない悦楽であった。
 「らめえええええええええええ!! 歴史が変わっちゃうぅぅぅぅぅ!!! タイムパラドックスが起こっちゃうのぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」
 あまりの気持ちよさに失禁してしまうティティ。その甘い汁を身体に絡ませられ、尚も口辱は続くのだった。