女中Interlude(短編連作)

 【ソフィアちゃん観察日記】

 5月27日 晴れ
 この度ソフィアちゃんの行動がふと気になってきたので観察してみることにしました。
 と言うのも、ソフィアちゃんは、この館において少しだけ特別な存在だからです。
 ご主人様も満月さんも私も、この屋敷を自宅としていて、ここに住んでいます。寝泊りも、もちろんここで行っています。
 ですが、ソフィアちゃんも基本的には屋敷で寝泊りしているものの、ふらっとどこかへ出かけて何日か戻ってこないことがあります。
 ソフィアちゃんが言うには、『あたしは別にここのメイドになったつもりはないし。ペットは性に合わないんでね』とのことです。
 私より年下だと言うのに、外をふらふらとしていて大丈夫なのでしょうか。心配だけど、ご主人様も満月さんも屋敷に閉じ込めるようなことはしません。
 さて、今は午前11時。ソフィアちゃんは、庭のベンチに仰向けになり、お昼寝をしています。
 寝るんなら部屋で寝ればいいのにと思うんですが、ソフィアちゃんは暖かい日は外で寝るのが好きみたいです。
 ソフィアちゃん専用の半袖ミニスカートのメイド服のままで、クマザラシのぬいぐるみを枕にして気持ちよさそうに眠っていると。
 誰か上下灰色の服を着た男の人が近寄ってきました。と言ってもこの屋敷に男の人は一人しかいません。ご主人様です。
 ご主人様はソフィアちゃんの寝顔をじっと見つめた後でほっぺたを指でつっつきますが、その程度ではソフィアちゃんは起きません。
 ソフィアちゃんは元(今も半分くらい)ストリートチルドレンなので、寒ささえ凌げればどこでも寝られる反面、危機には敏感なところがあります。
 この屋敷は安全地帯だと認識しているのでしょう。ぐっすり寝ています。
 跳ね起きる時があるとすれば、怒った満月さんが近づいてきたときくらいです。
 例えご主人様がスカートに手を入れてパンツを脱がせても、お股に舌を這わせても、身体がぴくんと反応するだけで起きようとしません。
 そうしてる間にもご主人様は、熟睡中の、私より小さな女の子に対しておちんちんを露出し、セックスを試みようとします。
 こうやって傍から見ると、やっぱりご主人様は結構ダメなタイプの変態にしか見えないところがあります。
 流石におちんちんが挿入されると、ソフィアちゃんも違和感に気付いたらしく僅かに目を開いて、自分の下半身を薄目で見ました。
 そして、遠くからなので何を言ったのかはわかりませんが……何か一言二言喋った後で、なんと目を閉じてしまいました。
 「『眠いから、激しくしないでよー……』と言ってますね」
 ……だそうです。
 いつの間にか私の隣に立っていた満月さんが、唇の動きからソフィアちゃんが何て言ったのかを見極めていました。
 ご主人様の方を見れば、それを了承した様子で、ゆっくりと亀が歩くより遅く、腰を動かしていきます。
 ソフィアちゃんも私と同じ手術を受けた身。経験はあってもお大事はかなり小さく、狭いはずです。
 ご主人様は当然ながら、ソフィアちゃんも寝ているのか起きているのか、とても気持ちよさそうな顔で涎まで垂らしているようです。
 しばし幼い女の子を優しく手籠めにした後で、ご主人様はぶるりと震えました。精液を出したのでしょう。
 そしておちんちんを抜くと、あられもない姿になったソフィアちゃんを放置して館に入って行ってしまいました。
 えっ、それはひどくないですかと思ったら、入れ替わりに満月さんがソフィアちゃんの元に向かっていきました。
 いつの間にか、私の隣からいなくなっていた満月さんはソフィアちゃんのお大事に口をつけます。
 あ、ソフィアちゃんが跳ね起きました。よっぽど強く吸ったのでしょう。
 満月さんの頭をげしげしと蹴る……つもりでしょうが、快感のあまりか上手く力が入らないようで、満月さんにその足を掴まれてしまいました。
 あー……今、ソフィアちゃんはガクガクと大きく震えて、糸が切れたようにぐったりと動かなくなってしまいました。
 きっと満月さんがご主人様の精液を一滴残らず啜り尽くしたのでしょう。私も一度してもらった……と言うかやられたことがありますが、二度としないで下さいと言いました。
 あれ、気持ちいいと言うか怖いです。子宮が飛び出るかと思いました。
 口に含んだそれを飲み込み、白目をむいているソフィアちゃんに下着を履かせ、服装を整えて満月さんも館へと戻ります。
 しばらく起きる気配が無かったのでひとまず観察を終えます。
 その後げっそりした顔で夕飯を食べにきたのは、午後7時くらいでした。
 満月さんにかけてもらったと思われる毛布をばっさりと放り棄てて、死んだように歩いてきながらもご飯はしっかり食べ、自室に戻ってベッドに倒れこんでうつ伏せで動きません。
 どうやら、また眠ってしまったようです。
 【ソフィアちゃん観察日記②】 

 5月28日 曇りときどき雨
 天気が悪い日はたいていソフィアちゃんからご主人様にお相手をねだります。
 今日も今日とてロリコンのご主人様を誘ってベッドに入ろうとしましたが、あいにくご主人様はパソコンで将棋の対戦の最中だったので相手にして貰えませんでした。
 「だんなーちんぽ入れてよー」
 と服を引っ張っても。
 「相手してよだんなーおまんこ寂しいんだよー」
 と腕に抱きついても。
 ご主人様は「はいはい後でな」空いた左手で頭をさするだけです。
 いつも性的な欲求に悩まされている(楽しんでもいるけど)ご主人様は、強い人と対戦できる時だけはえっちな事を本当に忘れられます。
 「ちぇっ」
 ソフィアちゃんはしばらくご主人様に身体を押し付けていましたが、諦めて部屋から出て行ってしまいました。
 「あれ、せんぱいもヤりに来たの? ムリムリ、今は将棋で頭がいっぱいになってるよ。いつもはセックスで埋まってるのに」
 そして、部屋を外から眺めていた私と鉢合わせます。
 私の目的はご主人様ではなくソフィアちゃんでしたが、私は「そうなんだ、じゃあ仕方ないね」と手帳を隠しました。
 「あー暇だな。ひまひまー。出かけられそうな天気でも無いしゲームでもするかなー。せんぱいもやる?」
 「ソフィアちゃん、少しはお勉強しないと学校行けないよ」
 と私が言うと、ソフィアちゃんは呆れたように笑いました。
 「あたしは学校なんて行く気ないからねー。せんぱいは真面目だなぁ、わざわざ勉強なんかしてさ。もっと自由に生きればいいのに」
 「でも友達だって作れるんだよ?」
 「そんなんいらないね。あたしは一人で生きていくんだ。この屋敷だって、めしは食えるしベッドは空いてるし、おまけに安全に男とヤれるしで都合がいいから入り浸ってやってるだけ。あったら便利だけど、なくなったらそれまでの場所だよ」
 少しだけ不愉快そうにそう言って、ソフィアちゃんは自分の部屋にてくてくと歩いて行ってしまいました。

 私は知っています。
 ソフィアちゃんは本当は甘えたがっている事と、ソフィアちゃんは甘えるのが下手だって事を。
 前にご主人様達が言っていました。
 『マルカが子犬なら、ソフィアは子猫だ』って。
 私はご主人様にも満月さんにもよく懐いているのでよくちょろいちょろいと言われますが、二人とも大好きなので甘えたいのを隠そうとはしません。
 ですが、ソフィアちゃんはプライドが高く、素直になれないところがあります。
 特に、満月さんに対してどう接すればいいのかよくわかっていないようで、自分から遠ざけています。
 一方の満月さんも、ソフィアちゃんの悪戯や手癖の悪さ、品の無さに甘やかすわけにもいかず、鉢合えば大抵説教をしています。
 説教で済めばまだいいのですが、怒った時には罰を与えたりしています。主にお尻に対して、けっこう容赦のない罰です。
 それもきっと、私のせいと言うか、ソフィアちゃんに比べて私がまじめにしているので、ソフィアちゃんを甘やかしたら不平等だ……と考えてる所があると思います。
 私がいなければきっと、満月さんもソフィアちゃんに甘くなって、ソフィアちゃんも満月さんに反発する事が少なくなったかもしれません。
 ……私がいなければ、なんて言ったらきっと怒られちゃうな。なので、そういう事はあまり考えないようにしましょう。
 でも、ソフィアちゃんだって満月さんに甘えたいのは確かです。
 前に、満月さんが寝てる時にこっそり近づいてきて背中にくっつき、髪の毛の匂いを嗅いでいた事がありました。
 私がトイレに行きたくなって起きようとした時に足音が聞こえたので、中々起きれませんでした。
 しばらくソフィアちゃんは大きく呼吸をした後に小さく呟き、しばらくしてから起き上がって、来た時と同じようにこっそりと部屋を出ていきました。
 『お母さん……』
 その声は、普段のひょうひょうとしたソフィアちゃんの声とは全く違う、寂しそうなものでした。
 少し後に、トイレに行こうとして満月さんに付いて行ってもらおうとしたら、満月さんはすぐに目を開きました。
 もしかしたら、満月さんも起きていたのかもしれません。
 満月さんはその事について何も触れずに、私のトイレに付き合ってくれました。
 
 私はソフィアちゃんの後ろ姿を追いかけました。
 「ソフィアちゃん、今日は私もゲーム一緒にやっていい?」
 と言ったらソフィアちゃんは一瞬真顔になりましたが、すぐに嬉しそうな笑顔で答えます。
 「うん、もちろん! でもいーのかよ、勉強しないで?」
 「今日はソフィアちゃんと一緒にいるよ」
 「さっすがせんぱい! どっかの乳がでかいだけで偉ぶってるロリコンクソババアとは違って話がわかるねー」
 と悪戯っぽく言うソフィアちゃん。
 の、身体が吊り上げられてどんどん高く上っていきます。
 「あっ」
 「えっ」
 
 「乳がでかいだけで偉ぶってるロリコンクソババア、ですか。どこの誰の事でしょうね」

 これ以上なく最悪のタイミングで、満月さんが現れました。
 ソフィアちゃんの襟首を掴み、顔の高さまで持ち上げている無表情はかなり怖いです。
 「いや……別に……あねごの事じゃ……」
 冷や汗をだらだらとたらしながらも振り返ることができないソフィアちゃん。
 ああ、これは私が余計な事を言ってしまったから起こった悲劇なのでしょうか。
 「そうですか。それではその人の話をゆっくりと聞かせてもらいましょう。地下室で」
 「いやあああああああああ!! だんな! だんな助けてーーーーー!!!」
 哀れソフィアちゃんはこれから満月さんの性のはけ口にされてしまいます。私には、どうすることもできませんでした。
 「あ、そうそうマルカ」
 絶叫が響く中で満月さんは振り向き、私に(ソフィアちゃんをぶら下げてさえいなければ)優しい(ように見える)微笑みを向けます。
 「いつも真面目にしているのでサボりについてあまり厳しくは言いませんが、私に一声かけてからにしてくださいね」
 ああ、この扱いの違い。
 やっぱりご主人様に相談してみた方がいいのかもしれません。
 でも今この瞬間は、私は無力です。
 ソフィアちゃんに対して怒っている時の満月さんに下手なことを言えば、ソフィアちゃんだけじゃなくて自分も構ってほしい(≒『激しいプレイを私にもして下さい』)と勘違いされてお尻をひたすら何時間も責められたり鰻のような何かを入れられたりする恐れがあります。前されました。
 たとえ悲痛な叫びが私の名を呼んでも、私は自分かわいさにソフィアちゃんを見捨てるほかありません。
 「せんぱいーーーー!! 助けてせんぱいーーーーー!!!」
 ごめんねソフィアちゃん。
 ごめんね……。
「しーあーわーせー……」
 義姉の胸の中に顔を埋めて、小さなメイドは低い声で呻く。
 時刻は午後三時過ぎ。雑務を全て終えた先輩メイドの袖をちょいちょいと引っ張り、寝室へと共に向かう。
 そして優しく身体を包み込んでくれる彼女の巨乳を堪能するのが、後輩メイド――とは名ばかりで実態は主人と先輩メイドの義妹兼愛玩動物である――、マルカの楽しみだった。
「ご主人様とえっちしたり遊んで貰ったりするのも大好きですけど、満月さんはリラックス効果がすごいです……」
 はふーん、と頬ずりするその表情は、緩みきっただらしないものだった。
 実の両親から愛情は注がれず、売られた娼館では酷い扱いを受けていたマルカの心と体は母性を欲していた。
 幸福感の果てにすぐ熟睡してしまうほどに、これ以上無く安心できる場所。それが先輩メイド――マルカにとっては精一杯甘えさせてくれる優しい姉である――、満月の懐だった。
 度重なる寵愛(と言うか溺愛)の果てに館の主人であるハルと結婚したいと言い出すようになっても尚、満月はマルカにとってなくてはならない存在である。
「私も幸せですよ、マルカ」
 満月にとっても、甘えてくる義妹が可愛くて仕方ない。
 ただでさえロリコンとショタコンを盛大にこじらせていた所があったのに、お姉ちゃん大好きと身を寄せてくる薄幸少女が来たものだからもう大変だった。
 腕の中でもぞもぞと動く小動物の温もりに、自分の表情さえ緩みそうになるくらいだ。
 姉妹愛、と表現してしまえば美しく見えるのだが――

「ところで……そろそろ私とねっとりオイルマッサージ風奴隷少女のガチ百合連続潮吹きショーをする気になったりはしませんか?」

 満月の方は、性欲を少なからず含んだ愛であった。




 【トゥー・レイト・ねっとりオイルマッサージ風奴隷少女のガチ百合連続潮吹きショウ+】




「えー……」
 露骨に嫌そうな声を捻り出すマルカ。
 裸になって抱き合っている真っ最中だが、マルカにとってはいやらしい事をしているつもりはない。
 もむもむと大きな乳房を口にしても、足を絡ませ合っても、マルカの秘所は全く湿り気を帯びる気配がなく、性的に興奮もしない。
 確かに最初は少し緊張したが、関係が義姉妹となった今ではそれもすっかり慣れ、心のままに温もりに甘えているだけだ。
 とは言っても、3Pの時には主人であるハルの命令で軽いペッティングくらいはする仲、女同士の性行為に拒否感があるわけではない。単純に。
「今はそういう気分じゃないんですけど……それに、あまり激しいのは怖いし……」
 と言うわけである。
「そうですか……」
 やや残念そうに俯く満月。
 傍目には興奮しているようには見えないが、それは満月の肉体コントロールが完璧なためである。
 本性を解放すれば、マルカの足はドバドバと決壊したダムの如く溢れる粘液で大変なことになっている事だろう。
「ではお風呂に入る前、ではどうでしょう」
「んー……あー……それなら、いい、かも……」
 マルカは脱力しすぎて、既に意識が曖昧になっていた。
 返事をしてから十秒とたたず、寝息を立ててしまう。
「……くー……」
「……」
 満月は曖昧な意識の曖昧な返事を、肯定とみなした。
 マルカは満月なら酷い事はしないだろうと安心しているのか、涎を垂らして早くも熟睡しきっている。
「なんて可愛い子……」
 その涎をすくって舐め取り、満月は歓喜に震えそうになった。
 マルカは、無垢ではない。散々男たちに陵辱され、苦痛と絶望の中で壊れかけた過去を持つ。
 が……今現在、マルカは心穏やかに育ち、純粋さを取り戻している。
 性行為も行うものの、愛……歪んでなんていないとマルカ自身が断言したそれを受けているおかげか、彼女の心は子供でいられている。
 しかし。
 彼女はまだ、その先を知らない。
 ハルのテクニックは満月仕込みだけあって中々のものであり、男性に触られるのを怖がっていたマルカも、愛撫されると悦びながら喜ぶくらいだ。
 その一方で、マルカが性の快楽の深みに嵌ってしまわないようにと加減している。
 『セックスは怖くはないけど、溺れてはいけないもの』である、と。
 自分のようになってほしくないハルは、自分の性欲を満たしながらもマルカに一応の配慮をしているのだ。
 それに、いくら開発具合を『リセット』できるとは言え、満月ならともかくマルカ相手にあまり可哀想な真似はしたくない。

 リセット。
 ハルが「できるか馬鹿! 無茶言うな! お前本当に人間か!?」と慄くレベルの絶技。満月の数ある淫技の、一である。
 満月にかかれば、薬漬けにされ廃人同然の者さえ感度を『抜ける』。
 もっとも、性感度以外……禁断症状や後遺症などはどうにもならないが。
 とにかく、性に関して満月は無敵。バトルファックに限定すれば単一存在すら退けるその設定はもはや理不尽を通り越して意味不明のレベルに至っている。
 ので。
「性の深みを知らない少女を……汚したい放題……」
 言質さえ取ってしまえば(取っていないが)、満月にとって手加減する必要など全くないのだった。
 自分に何が起こるかも知らずにぐっすりと眠り続ける少女の額に、満月は軽くキスをする。
「ちゅっ……」
 それは淫魔の長を指一本で絶頂に導く、満月の女皇フルムーン・エンプレスの口付けだった。

「と言うわけで、ねっとりオイルマッサージ風奴隷少女のガチ百合連続潮吹きショーを行ってまいります。しっかりカメラには一部始終を撮影しておきますので、どうぞお楽しみ下さい」
「ああうん……いや、止めないけどさ……」
 熟睡するマルカを起こさないようにベッドから降り、服を着て報告しにくる満月。
 それに対し、ハルは苦笑いを返した。
(……俺もリセットできるようになれば、こいつくらい性欲を剥き出しにできるんかなぁ……)
 ハルとて世間一般的に見ればマルカを手篭めにするロリコン犯罪者ではあるが、満月とは格が違う。
「まあ、お前なら大丈夫だろうが、一応……壊すなよ?」
 マルカは人間だぞ、と言う意味合いを込めて釘を刺す。
 満月は存じております、と頷きながら妖しく微笑む。
「ご心配なく。発狂する程のことはしませんし、明日には『今日の時点と何一つ変わらない開発具合』ですので」
「お前怖い」

 そして夕食後。
 いったん自分の部屋へ戻ってから風呂場へ向かうマルカに、後ろから満月が付いてきた。
「あれ、ご主人様へのご奉仕はいいんですか?」
「ええ、今日は大丈夫です。一緒に入りましょう、マルカ」
 もう終わりましたので、とは言わずにマルカと並んで歩く。
「いいですよー。背中ながしっこしましょうながしっこ。ご主人様も来ればいいのに」
 また姉に甘えられるとご機嫌なマルカ。
 姉のどす黒い胸中など知らず、抱きついてもたれかかりながらも進む。
 脱衣所で服を丁寧に脱いで籠に入れ、大浴場へ入ると――
「……? 何ですか、これ?」
 空気で膨らむエアーマットが、正面を向いて床に置いてあった。
 マルカはこれを使って何をするか、まだ見たことがない。
「マッサージ用のマットですよ。マルカ、身体を洗うついでです。横になりなさい」
「え……マッサージなら、どちらかと言うと私がするべきなんじゃないですか? いつもお世話になっているんだし……」
「胸も大きくなりますよ」
「お願いします!」
 遠慮がちだったマルカはその一言で即座にマットに寝転がった。
 仰向けで両手を広げ、大の字になる。マッサージなど受けたことがないので、緊張しきった面持ちだった。
(マルカは小さいほうが可愛くて良い……とは私が言っても嫌味にしかなりませんね)
「リラックスしなさいマルカ。うつ伏せになって、手足は真っ直ぐです」
「はい」
 ころんと転がり、言われた通りにするマルカ。
 なおも緊張は解けきっていないようだが、構わず満月は術式を開始した。
 人肌の油を妹の背中に垂らし、軽く円を描く。
「うわ、びっくりした……なんですかこれ?」
「アロマオイルですよ。経口摂取しても大丈夫なもので、お肌もすべすべになります。マルカはまだ若いから、そこまで効果はありませんが」
 貴女を調理する油ですよ、とは言わないでおいた。
 今やマルカはまな板の上の鯉。蜘蛛の巣にかかった蝶。
 ハルが知らんぷりした以上、この後行われる彼女の凶行を止められる者は誰もいなかった。
 満月は指先だけを使って、オイルを彼女の背中に広げる。
 全体に行き渡った所で、掌底を使って柔肉を少し押し込みながら、身体を解きほぐす。
「あー」
 満月の柔らかく心地いい手さばきに、マルカの緊張もすぐに解けてしまった。脂肪の下に張り詰めていた背中の筋肉が緩むのを、満月はその手に感じる。
 背骨のラインを下から上り、首筋まで来た所で両手を分岐させ、肩甲骨付近をこねる。
 円を描くように動かしながら移動し、脇腹まで横に滑らせたらそこから腸骨まで。
「んっ、ちょっとくすぐったい……」
「大丈夫ですよ」
 そこから再び背面へと上らせ、腰。そして形のいい臀部に手を埋める。
 あまりにも柔らかい、赤子の頬のような尻肉。
「あー、おしりー……」
 満月は掌底に飽き足らず、指でそれを堪能する。
「なんと、これは……」
 ぷるん、ではなく、ふにょり、と。
 それは弾力と言うよりは、餅のような流動性を秘めた少女の肉であった。
「満月さん、触り方がいやらしいです」
 とマルカが言った瞬間。
 満月は、その未発達の尻に顔を埋めていた。
「って、何やってるんですか!?」
「なんという……おお、なんという……」
 ふわふわの少女肉を顔面で味わう。自分の頬よりも柔らかいそれは、口に含めばそれだけでとろけてしまいそうな危うささえ感じられる。
 奥の小さな肛門に、鼻先を押し付ける。少し汗っぽい、甘酸っぱいような香りが喉の奥を通り抜けていく、感覚。
「ちょっと、臭い嗅がないで下さい!」
「失礼、あまりに無防備だったものですから」
「満月さんがリラックスしろって言ったんじゃないですか!!」
 恥ずかしそうに手で肛門をガードするマルカ。
 うーと唸る妹に、満月は優しく両手を掴んで元の位置へと戻した。
「貴女のお尻は世界を平和に導ける器です」
「馬鹿なこと言ってないでマッサージして下さい。もう終わりなら、シャワー浴びちゃいますよ」
 呆れ顔になっているマルカの背中に、再び手を這わせる。
「大丈夫ですマルカ、夜はこれからですよ」
「全然大丈夫じゃなさそうなんですけど」
 肩から上腕、下腕を伝って手首を回す。手のひらから指先までを、自分の拳の第一関節で伸ばすように押しこむ。
「んっ、ちょっと痛いです……大丈夫ですけど」
 手が終わったら、次は足。
 警戒された尻を軽く流して、腿の筋肉をほぐすフリをして丹念に揉む。
 丹念に。
「満月さん?」
「足腰は重要ですので。ご主人様のお相手ができなくなったら一大事です」
 まあそれはそうですけど、と警戒を緩めるマルカのちょろさに満月は内心でほくそ笑んだ。
 しなやかなふくらはぎから、足首。そして足裏のツボに指をぐりんとねじ込む。
「ひゃああっ」
「痛いですか?」
「ちょ、ちょっと弱めにお願いします……」
 見た目からは予想できない満月の握力の強さにマルカの身体が飛び跳ねた。
 しかし、いきなりビー玉を踏んだような痛さと驚きが薄まれば、痛覚の中に気持ちよさが浮かび上がってくるのを感じる。
「あ、あ~っ。ま、満月さん、そこは、あふっ」
「大丈夫ですマルカ、安心して身体を委ねなさい」
「全然っ、はぁっ、大丈夫じゃなさそうな感じが、ああんっ」
 どこか性行為にも似た背徳的な感覚がマルカの脳を揺さぶり、思考を危うくさせる。
 当然だ。
 満月が行う足裏マッサージは、主に人体の性感帯を重点としているのだ。
 その気になれば小娘程度、足裏だけで簡単に壊す事が可能である。
 既に陵辱を受けている事など全く気付かずに、マルカは全身から汗を噴き出して快楽に悶えていた。
「はい、では仰向けになって下さい」
 返事を待たずにマルカを転がす。
 息を荒くして無抵抗のマルカ。その小さな乳房に、満月は真っ先に手を伸ばした。
「はうー……」
 胸を揉みしだかれているのはわかるが、マルカには動く気力がない。
「大丈夫ですよマルカ、豊胸マッサージですよ」
 と言われても、返す言葉も出て来なかった。
 それをいいことに、満月はマルカの気持ち程度膨らんだ胸部に指を沈ませた。
「あうあー……」
 そしてそのまま指を狭めて、中心にある小さな果実を摘み、引っ張りながら離す。
 ちゅぽん、と。
「ひぁぁっ……」
 そんなことを何度も繰り返せば、マルカの乳首はどんどんと敏感さを増して新芽のように尖った。
「おやおや、固くなってしまいましたね」
 と意地悪そうに言いながら、満月はその可愛らしい性感帯を人差し指の先でねぶる。
 くりくりと撫でると硬度を増すそれは、陰核にも似た可憐ながらも卑猥な少女の蕾。
「私が大きくしてあげますからね……」
「待って下さい……待ってください満月さん」
 マルカはどうにか気を保ち、満月の人差し指を腕で逸らしてタイムタイムとジェスチャーしながらと尋ねた。
「これってひょっとして……って言うか、ひょっとしなくても、えっちなマッサージですよね……!?」
「当たり前じゃないですか!!」
 満月はいきなりキレた。
「ええー……」
「失礼、取り乱しました。はい、確かにこれは性感マッサージです。先ほどマルカも言ったではありませんか、『ねっとりオイルマッサージ風奴隷少女のガチ百合連続潮吹きショーですか、いいかもしれませんね! 私満月さんと一緒に百合世界の深淵を覗き見たいです!』と」
「言った記憶ないですよ!? 少なくとも後半は私そんな事絶対言ってないですから!! 何ですか深淵って!?」
「そんなことはどうでもいいのです」
「よくないですよ!?」
 捏造がバレた満月は開き直ってマルカの尖る乳首を啄んだ。
「きゃあっ!?」
「気付いた所でもう手遅れですよ。屋敷に来た頃は貧相な体型だったのに、こんな健康で美味しそうになった女の子なんて、私に食べて下さいと言ってるようなものじゃありませんか」
 お伽噺の魔女みたいな事を言いながら、満月は自分の半分近く下の歳である少女の胸を口に含む。
 舌でえろんと乳首を転がせば、塩辛い汗の味が口に心地よい。
「ああ、美味しい……マルカが私の胸を好きに扱い幸福を味わっているのに、私がマルカの胸を好きにしてはいけないなんて、理不尽ですもんね……? とっても幸せですよ……」
 屁理屈と一緒にマルカの小さな胸肉をこねる満月。
 空いた左手は、先程軽く味見した尻肉を下からなぞり上げた。
 指先で、つつ、と。
 舐めるかのように。
「はわ……っ!!?」
 息が詰まった。
 一瞬意識を手放しかけてから、自分が今エクスタシーを感じていた事に気づく。
 ただ口と手で触るだけのそれは卑俗にも程がある、冒涜的なまでの陵辱だった。
 だが、マルカがこれまで受けてきたどんな愛撫よりも、優しいタッチ。
 どうすれば、この薄汚い下卑な鬼畜染みた虐めをここまで慈悲深く行う事ができるのだろうか。
(ま、満月さんは……)
 過呼吸になりかけたマルカを見た満月は、責めをあっさりと解いて身体を抱きしめ、彼女の口に酸素を送り込んだ。
「んっ……」
 無論、自らの口を使って。
 それは官能の欠片もない、落ち着く抱擁と接吻。
 いつものお姉ちゃんの、スキンシップと全く同じものであった。
 ままならない呼吸と破裂しそうになる鼓動を自らの身体で抑え、満月は優しく微笑んだ。
「大丈夫ですよ、マルカ」
 落ち着いたマルカは、満月にありったけの憎悪を込めて睨んだ。
「……満月さんは、悪魔です」
「あら」
 満月はわざとらしく驚いた後、意地悪な顔で言う。
「知らなかったのですか?」

「さてマルカ、一休みしたところで水分を補給しましょう」
「まだ続ける気ですか……?」
「はい。まだ潮吹きもしていないじゃないですか。イッたのも1回だけですし」
 はいこれ、と満月はどこに用意してあったのか大きなペットボトルを取り出した。
 中身は半透明のスポーツドリンクである。
「脱水症状を起こさないように、たっぷり飲んで下さいね」
「…………」
 マルカは考える。
 満月は、自分が本当に、本気で嫌がるような事はしない。と言うより、できない。
 ので、マルカには拒否する権利がある。
 しかし。
(……さっきの話、確かにそうだ。私がさんざん満月さんのおっぱいを揉んだり吸ったり好きにしているのに、満月さんは嫌な顔一つしなかった。いつもご飯も作って貰って、お洋服もいっぱい買って貰って、お勉強だって教えて貰っているのに、私は満月さんに対して、何もしてない……ただ、甘えているだけ……)
 考えれば考えるほど、マルカは満月に対し申し訳無さを感じてくる。
 満月としては、マルカの世話をしているだけで幸福なのだが。
(それに……)
 満月の指の味を知ってしまった今となっては、心の底から嫌だなんて言えるはずもない。
 幼いながらもマルカは初めてその感覚を知ってしまった。
 身体が、切なさに震えている。小刻みに。
 満月の指先を、求めているのだ。
「いいですよ……仕方ないから、付き合ってあげます。無理矢理犯されるのは慣れてますから」
 弄って下さい、とは言いづらい中で精一杯の虚勢を張るマルカ。
 ペットボトルを両手で持ってくぴくぴと飲み、500ミリリットルほどを小分けに身体に補充する。
 照れを隠したその言葉が可愛くて、満月は今すぐ妹の汁を一気飲みしたい衝動に駆られた。
「その代わり、今度一日満月さんの身体を私の好きにさせて貰いますからね」
「それはご主人様に許可を得ないと……」
「ダメって言ったら泣きつきます」
 珍しく、マルカがワガママらしいことを口にした。
 それだけ、ただで触られるのが納得いかないのだろう。
 そしてそれだけ、満月と戯れたいのだろう。
「お願い、してみましょうね」
 と、優しい顔をした満月に頭を撫でられただけで。
 マルカは、顔を赤くして小さく頷き、無抵抗になってしまった。

 胸に両手を当て緊張するマルカ。
 その手を優しく握り、恋人繋ぎにして身体からどける。
 そしてそのまま、満月の身体はマルカの上に重なった。
「ちゅっ……」
「ん……」
 これから貴女を捕食しますよ、と告げる絡新婦の接吻。
 相手の緊張感をそのまま官能に変える舌使いで、満月はマルカの咥内を貪る。
 早く食べればいいじゃないですか、と強気だったマルカの顔はいとも容易く蕩け、その舌の激しさを求めて自らも舌を突き出した。
 れろん――
「……ッ!」
 獲物を絡めとる長い捕食器が、柔らかい餌に巻きついて組み伏せる。
 まだ息のあるそれを踊り食いするかのように、満月の舌はマルカの舌を咥え込み、しゃぶり、優しく噛み付き、体液を啜る。
 ほんのり甘いそれに生きたまま喰らわれながら、マルカはびくんと全身を震わせた。
「ぷはぁ……どうですかマルカ、美味しかったですか?」
 獲物が動かなくなった所で満月の舌は離れ、長い口付けも終わった。
 マルカは目の端に涙を浮かべながらも、内股気味になって絶頂の余韻を味わっている。
 満月の責めとしては全然軽いので、喋れないわけではない。ただ、甘い感覚に身体が悦びを感じていて、返事が遅れてしまった。
「すっごい……気持ちいい……」
 敬語を付けることも忘れて呟くマルカに、満月が軽く頭を撫でた。
「それは良かった。ではマッサージの続きと行きましょう。まだ前は途中でしたからね」
 と再びオイルを手に取り、今度は自分の手から胸に、そして腹にそれを塗りたくった。
 満月の豊満な身体が照明に反射して、艶かしく光る。
 腕、足、そして下腹部にもしっかりと塗りこむ。さらにマルカの見ている前で股を開いて、オイルで『遊び』始める。
 片手で開き、しっかりとよく見えるように中身を見せつけたと思ったら、満月はオイルの容器を持って、ちゅるんと半分ほどを飲み込んでしまった。
 そして中身を、ぐびりぐびりと一気飲みしていく。
 腰を前後に振り立てて、上唇をぺろりと舐めながら。
「ん……良い温度ですね」
 そして空になった容器をにゅるんと吐き出し、ことんと軽い音を立てて横に置いた。
「さて」
 満月は立ち上がって、寝転んでいるマルカを跨ぐようにして見下ろす。
 そうして舌なめずりすると、しっかりと閉じられていた満月の秘所が緩み。中からはとろとろとアロマオイルが滴って、マルカの腹へと落ちる。
 扇情的に腰をゆっくりと回すと、滴るオイルもそれに従って軌跡を描き、マルカの乳首にも温かい感触が届いた。

「満月さんは変態です!!!!」

 これまで良くも悪くも様々な性行為を受けてきたマルカが、あまりの淫猥さに目を背ける。 
「マルカ、今更ですよ」
 しかし、その姿は同時に。これ以上無く美しくもあった。
 長い黒髪をしっとりと湿らせ、先程自分を捕食した柔らかい唇からは舌をわずかに見せ。
 少し細めた眼の奥、瞳が黒曜石のように妖しく光っていた。
「……」
 誘惑に負けて、再びマルカは姉の痴態に目を向けた。
 自分のものであるはずの大きな双乳は、見たこともない艶を持ちながら腰の動きに合わせて左右に揺れている。
 そして下腹部からは淫らな水糸が細く伸び、自分を汚している真っ最中だった。
「マルカ、おまんこを広げて下さい」
 どんな卑俗な笑い方をしても、満月の顔は美しく。
 何をされるかなど想像できるのに、マルカはそれに従ってしまった。期待してしまった。
 マルカの両手の間に、温かいものが降り注ぐ。
「ああっ……!」
「直接飲ませて差し上げます」
 と。満月はマルカの秘所に腰を下ろし、ぴったりと膣口同士をくっつける。
 そして。
「たっぷり味わいなさい」
 マルカの膣内なかに、どぷりとそれを吐き出した。
「はぁっ……!! んっ……」
 直接注ぎ込まれたそれの温度を、マルカは身悶えしながらも受け入れる。
 幼い少女のヴァギナにたっぷり中出しした満月は膣口をゆっくりと離す。粘り気のある糸が二人を繋いでいたが、すぐに切れてしまった。
 そしてその興奮も冷めやらないまま、マルカの秘所に口を近づける。
「経口摂取できるとは言え、ちょっと入れすぎましたね」
 想定と寸分変わらない量を出しておきながらいけしゃあしゃあと述べる満月。
 そしてマルカの膣を丸々口に含み――
 ――じゅるじゅるじゅるじゅるぽっ。
「きゃああああああああああああ!!!!??」
 自分の出したそれを、勢い良く啜り上げた。
 あまりのバキュームの強さに、悲鳴を上げながらマルカは連続でエクスタシーに至ってしまう。
 敏感になっている身体に再びオイルを吐き落とされ、小さな身体は面白いくらいに跳ねた。
「ほぉら、マルカの大好きなおっぱいですよ」
 今しがた自分が吐き出したオイルの上に乳房を乗せ、ワックスをかけるようにそれを滑らせる。
 下から。
 上に。
「あっ……それっ……」
 姉の柔肉の感触を味わい、マルカの声が一層甘みを増す。
 乳首同士が軽く触れ合い、また下へと降りていく。
「それっ……好きっ……!」
 往復する度に高まる官能。マルカは無意識に自分の体を押し付けていた。
 それに応えるかのように、満月も滑る身体を強めに抱きしめる。
「ああっ、すごいっ……!」
 その心地よさはエロティックなものと同時に、心が安らぐようなこそばゆいものでもある。
 甘えん坊のマルカにとって、家族のスキンシップにも似たそれは恥じらいの感覚を和らげて積極的にさせた。
「好きっ……! 満月さん、好きっ、です……!」
「私もですよ、マルカ」
 抱き合う二人は胸を押し当て、腰を押し付け、足を絡み合わせて乱れる。
 油塗れになった身体同士が擦れて、淫らな水音を立てていく。
 その内、どちらともなく相手の唇を奪い。口の中でも、粘液の音を奏で始めた。
 まるで蛞蝓の交尾のように、どろどろに溶け合う二人。
 身体の境界がわからなくなるほどに、お互いの身体を喰らっていく。
「そろそろ二人で潮を噴きましょうか」
 いったん口を離した満月が、マルカの耳を味わいながら呟いた。
「しお……?」
 よくわかってない様子のマルカに、満月は優しく囁く。
「やり方は簡単です。せーの、でお互いのおまんこに指を入れるだけ。とっても気持ちいいですよ」
「わかりました……」
 もはや脳がとろけきったマルカは、満月の気持ちいいと言う言葉に簡単に従う。
 二人はそれぞれ、相手の秘所へと右手を添える。
「では行きますよ。せーのっ」
 合図と同時に、二人の膣に細い指が捩じ込まれた。
 的確にGスポットを抉る満月の動きとは対照の、ただ入れただけのマルカの人差し指。
 得る性感は、全く同一のものだった。
「ふぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
「んっ……」
 二人の尿道から、勢い良く汁が迸った。
 それはお互いの股に当てていた手に当たり、温かいシャワーと化して快楽を上乗せする。
「はぁ……はぁ……あったかい……」
「気持ちいいでしょう、マルカ」
「はい……」
 最初の勢いが衰え、じょろじょろと尿のように垂れ流すそれは、単純な排泄の快感より甘美なものであった。
「マルカの汁、直接飲ませてもらいますね」
 満月は身体を半回転させ、マルカの尿道から尚も湧き出る泉を口で受ける。
「あ……」
 マルカの目の前には、満月の綺麗に閉じた排泄口があった。
 わずかに、水滴が尻へと伝わって。
 一滴。マルカの口へと落ちた。
 しょっぱさの中にほんのり甘さを含んだそれをよく味わい、口の中で転がす。
(満月さんの、味……)
 人の体液をこんなに美味しいと思うのは、初めての感覚だった。
 マルカはその汁を、もっと欲しくなり。
 恥じらいを持ちながらも、姉に呼びかける。
「満月、さん……私も、飲みたいです……」
「あら、嬉しいですね。しっかりと味わって下さい……んっ……」
 満月が筋肉を僅かに緩めると、ちょろちょろと控えめに満月の雫が染み出てきた。
 マルカはそれを見て、満月の膣へと齧り付くように口を密着させた。
 とろけるような味わいの舌で啜って楽しみながらも、必死に舐めてもっともっととおねだりする。
「ふふっ、欲張りな子ですね……溺れない程度に、いっぱい飲ませてあげましょうか……?」
 嬉しそうな満月の言葉を聞きながら、マルカは舌で奉仕して肯定の意を示した。
「わかりました。では、たっぷり召し上がれ……」
 ぷしゃぁと湧き出る満月の潮を、マルカは喉を鳴らして嬉しそうに飲み続けていく。
 性的興奮か、それとも水分補給のせいか。
 マルカも下半身をもぞもぞとさせて、尿道をわずかに広げた。
「まあ、私にももっと飲ませてくれるのですか? なんて姉思いのいい子でしょう……
 ……今日は二人で、たっぷりと出し合って、飲み合いましょうね……」
 れろんと舌で催促され勢い良く発射されたマルカの潮、あるいは、尿を。
 満月は喉に通しながら、再び排泄の準備を始めた。

 「ふう……」
 二回づつ体液を啜り合い、小休止を入れる。
 若干疲れたもののマルカの身体はまだまだ元気であり、姉の潮は飲み足りないほどであった。
 満月が口に含んだスポーツドリンクを優しく口内に流され、マルカは寝転がったままそれを飲み干して尚唇を離さずに味を堪能する。
 「ずるいです……。満月さんは身体が温かくて、触り心地がよくて、おっぱいも大きくて、美人で、しおまで美味しいなんて……」
 拗ねたような表情と、嬉しさを隠さない声。マルカは満月の肉体を全身で味わいながらぼやく。
 「そんな私と、世界で一番素敵なご主人様が愛して止まないのが貴女なのですよ、マルカ」
 満月は左手で彼女の頭を抱きながら、右手でマルカの手を柔らかく握る。そして、自分の秘所へと押し付けた。
 「? ……!?」
 マルカはその手の感覚……自分の指先を“小突いた”それに驚愕し、バッと満月の股間に顔を近づける。
 「な、なんですか……これ……!?」
 彼女が見たものは、先程よりも少し硬く、先程よりもかなり伸びた肉の芽であった。
 舌で舐めていた時は小豆より二回り小さかった陰核が、今では柿の種よりも大きいぐらいまで巨大化して聳えていた。
 まるで、小さいペニスのように。
 「これ、おちんちん……!? じゃない、クリトリスですか……!?」
 「興奮したので、勃っちゃいました。マルカ用のサイズですよ」
 主人の尻穴に挿入したこともある、満月自慢の肉棒。
 こと女同士の性交においては、色々と役立つすぐれものであった。
 「もっと飲みたいんですよね。それなら、しゃぶって下さい。フェラチオしたらご褒美をあげますよ」
 「ふぇら……」
 女同士のセックスでは出て来ない単語に対しおかしいと思いながらも、他に形容する言葉が見当たらないのを理解する。
 目の前にあるこれは、確かに『フェラチオ』するべきものだった。
 (なんか、かわいい……)
 小児の、いや小動物のペニスのようなちんまりとしたそれに、マルカは満月の身体に初めて『綺麗』や『大きい』『柔らかい』以外の感想を持った。
 「んっ……」
 膝立ちになる満月に対してマルカは屈み込み、光沢を持ち張り詰めたように滑らかでぴんと立つ陰核に舌を這わす。と、姉の声が漏れるのが聞こえた。
 「気持ちいいんですか?」
 「はい、とっても気持ちいいです。私の小さなおちんちん、可愛がってあげて下さいね……」
 姉に奉仕できる事に嬉しさを覚えたマルカは、唇ではむ、と細い芽を咥え、その間から舌先をねじ込んで彼女をもてなした。
 妙な感覚であった。固くて弾力があり、つやつやとしていて、先は丸みを帯びながらも尖った形状をしている。性交においてこれまで口に入れてきた何とも違った。
 例えるならそれは、固いもやしに近い食感である。
 「おおっ……いいですよ、いいですよマルカ。私のおちんちん、マルカに食べられて悦んじゃってます……! もっと気持ちよくして下さい、私をっ……!」
 肉の味に、かすかに甘いものが混じり始めるのを感じる。
 甘い声を出して喘ぎ、潮の先走りを漏らして悦楽に浸る姉に、マルカの陰核も気づかず勃起していた。
 「あっ……潮っ、ご褒美汁っ、もう出ちゃいます……マルカ、おしっこの穴に、口をつけなさい……!」
 その言葉を待っていたマルカが、下唇を開けて満月の泌尿器にかぶり付いた。
 瞬間。
 甘美な蜜が咥内に大量に流れ込み、マルカはそれで喉を潤した。
 「んっ……んぐっ……」
 勢いのある肉汁をマルカは享受し、自分の血肉へと変えてゆく。
 アルコールでも入っているかのように身体が熱い。
 身体は火照り、中毒性を持ち、自分から求めてしまうそれは、マルカにとって媚薬そのものだった。
 「ふふっ。そんなに美味しそうに飲まれると、私も飲みたくなってしまいます……その前に」
 飲み干したマルカの目の前に、再び満月の陰核が突き付けられる。
 「これで、マルカのおしっこ穴を気持ちよくして差し上げます」
 「え……!?」
 お互いの潮を飲み合う変態行為に一切の躊躇がなくなったマルカも、その発言には流石にたじろいだ。
 マルカの常識で言うと、百歩譲って肛門はまだしも、そこは間違っても物を入れる穴ではなかった。
 その恐怖感を汲み取った満月はまず、自らも座り込み目線を合わせ、安心感を与える微笑みをマルカ向けた。
 「大丈夫、痛みは全くはないですよ。思いっきり突き入れたりはしません。少しむずむずするかもしれませんが、すぐに気持ちよくなっておしっこがしたくなりますから」
 「本当ですか……?」
 「ええ、私は嘘をつきません……」
 マルカの頭が正常なら、『いやさっき思いっきり嘘ついてたじゃないですか』と言うところだが。
 媚薬をたらふく飲まされたマルカは、そんな事は忘却の彼方に追いやってしまっていた。
 それに、興味がある。
 痛みを感じることなく尿道を気持ちよくされること。そして……
 「わかりました……でも、これ、せ、セックスしてるみたいになりますね……」
 肉棒と肉穴を使う、姉との性行為に。マルカの興味は惹かれていた。
 今更ながら恥じらいを見せて笑うマルカを、満月は胸に抱き寄せた。
 「おしっこの穴に処女膜はありません。腰が痺れる快感のなかで、気持ち良くお潮を噴きましょうね」
 マットの上に、ゆっくりと彼女を倒してのしかかる。そして流線型の性器を摘み上げ、マルカの性器に添えた。
 「二人ともおまんこの周りまですっかりとろとろだから、するっと入りますよ。私達仲良し姉妹が、これからついに一つになるのです」
 耳元で囁く、淫靡で背徳的な言葉一つ一つに、マルカは意識を持って行かれそうになる。
 先程まで怖かったそれを、今では一刻も早く入れて欲しいと尿道が歪動していた。
 大きすぎず、小さすぎないサイズの満月のクリトリスが。
 マルカのそこに、つるんと這入った。
 「ひぁっ…………!?」
 未知の感覚がそこにあった。
 陰核とも膣口とも子宮口とも肛門とも違う。それはマルカにとって、もっと原始的な感じがした。
 いつも何気なく使用している、生理用の排泄口。普段意識していない、排尿の快楽。
 先程それを含んだ甘い快楽を得たマルカにとって、タイムリーなむず痒さがあった。
 確かに痛みは全くない。が。異物感の気持ち悪さとそれを上回る排泄口を刺激される気持ち良さが混じり。
 マルカの腰は、容易く砕けた。
 「あ、ああ……!!」
 満月が自分の中をゆっくり往復する度に排尿に近い感覚が生まれ、背筋にぞわりと鳥肌を立つ。
 「ほら、腰ががくがくするほど気持ちいいでしょう。もっとつんつんしてあげますからね」
 言いながら満月は腰の動きを速める。
 満月の技巧は、無闇に尿道を突き広げてしまい快感の連続を味わっているマルカを痛みで邪魔するような真似などしない。
 正確に、精密に、穴を撫で上げるように擦っていく。
 自らも爆発的な快楽をその身に得ながら。
 「ひっ、あっ、あっ、あっ……!?」
 僅か数センチにも満たないそのピストン運動に、マルカは身体を揺らして驚愕を交えながら喘ぐ。
 何度目かの排尿感が訪れるのに、そう時間はかからなかった。
 「はぁ……っ!!」
 満月のクリトリスに、熱い水流が直撃する。
 「っ…………!」
 快楽のスイッチを強めにしていた満月は、その刺激で達しながらもマルカの穴から性器を引き抜いた。
 そして、それの勢いが止まるより速く。今まで入れていた穴へと口を付けて汁を受ける。
 妹の体を溶かしたような生々しい味と臭いと温度を口の中で転がしながら、満月は再び絶頂していた。
 「ふう……おや、少し刺激が強かったようですね。では、またシックスナインで楽しみましょう……私の潮、もう飲み飽きましたか?」
 ぴくぴくと痙攣しながら涙を流すマルカは、どうにか口の端を上げて笑顔を作り、弱々しく首を振った。
 「良かった。今日は私のジュースが飲み放題です。好きなだけ味わっていって下さいね……」
 舌を突き出して待つマルカの顔に、満月の陰唇が柔らかくのしかかった。
 
 ぷしゃぁ、びゅるん。
 「んっ、んっ」
 ごくごく。
 「満月さん、おいしいです……」
 じょろろろろ。
 「んっ……」
 ごくごくごく。
 「貴女も美味しいですよ、マルカ……」
 「あの……満月さん、さっきの、クリトリス入れるやつ……もう一回やってくれますか……?」
 「もちろん。望むなら、何回だってしてあげますよ」
 「ありがとございます……あっ、そこ、すごいっ、あぁっ……!」

 姉妹二人は、お互いの出す液体を心行くまで堪能していった。
 何度も、何度も。飽きること無く、時間を忘れて。
 マルカが疲れて寝てしまうまで、女同士の快楽の貪り合いは続いた……







































































 「ちんこがおかしくなるかと思った」
 「楽しんでいただけたら光栄です」
 七時間にも及ぶ女色姉妹の粘着質な交尾のVTRを、ハルは徹夜で視聴していた。
 途中まで満月が口や膣で愉悦を与えていたが、潮を飲み合う場面に差し掛かったあたりで、
 「あ、これ自分の手でオナニーした方がいいわ。今はセックスより死ぬほどオナりたい」
 と満月の天にも昇る奉仕を捨ててまで自らの陰茎を擦り始め、手が腱鞘炎になりかけるほどに自慰を続けた。
 映像の中のマルカ以上に疲れ果て、ぐったりと安楽椅子に身を任せていると、シアタールームにマルカが目をこすりながら入り込んできた。
 「あ、いたご主人様、満月さんも……もう朝ですよ、ご飯食べましょうよ……」
 多少疲れが残ってるようなだれ具合とはいえ、激しい調教の後とはとても思えない。
 「マルカか。昨日は満月に随分なアブノーマルプレイをされたな。身体大丈夫か? ……大丈夫か」
 満月の発言を思い出す。マルカはうーんと首を捻った。
 「散々えっちな事をされて凄い気持よかった事は覚えてるんですけど……覚えてるだけなんです。……いや、覚えてないのかな?」
 自分でも不思議なのか要領を得ない返事に、満月が代わりに口を開いた。
 「私は脳の記憶を弄ったりできないので、頭では昨日の出来事を覚えているはずです。ですが、体の記憶を取り除いているので、漠然と『気持ちよかったと言うこと』は覚えていても身体が反応しないのです。『頭では忘れていても体の方はしっかり覚えてるようじゃねぇか』の逆というわけですね」
 「んー……? んんーー…………???」
 説明されてもよくわからない理屈に、マルカは深く首を捻った。
 「満月の能力は常人の理解の外にあるから気にすんな。まだ満月の潮飲みたいと思うか?」
 「えー……美味しかったとは思うんですけど今は別に、って感じですね。飲めって言うんなら飲みますけど……」
 「いや、いい」
 ハルは改めて満月の力を思い知った。
 映像の中ではマルカはもう死ぬまでずっと満月の体液を啜って暮らしたいと言う勢いだったのに、これだ。
 (なんなんだろうこいつ)
 「では、朝食に致しましょうか」
 怪訝な顔をする二人に対し、満月は微笑んで部屋から出て行った。
 
 「ふぁー……」
 つけっぱなしのテレビゲームとスナック菓子が散乱した部屋、そのベッドの上でソフィアが起床する。
 本来は一時的な客に宛てがわれるはずの部屋は、今やすっかりソフィアの自室と化していた。
 と言うのも、『たまに餌をねだりに来る野良猫』だったソフィアが屋敷で生活していく中で『たまにふらっと散歩する家猫』となりつつあるからである。
 寝ぼけまなこのままカーテンを開けば、眩しい日光は混沌と化した部屋を照らす。
 「あー……これ、どーしよ」
 昨日は屋敷から銀の食器をちょろまかして換金し、その金で購入してきた新作のゲームを夜遅くまで遊んでいた(もちろん好きなだけ菓子も買ってきた)せいで部屋の中は荒れ放題である。
 こんな状況が満月に見つかれば、ただでは済むまい。
 最終的にどうなるかを瞬時に予測して、ソフィアは反射的に臀部を手で庇った。
 「間違いなく犯される……」
 最近では例の『おしおき』を受ける度に、羞恥心と嫌悪感の間にある小さな快感がどんどん膨れ上がってきているような感じがして、自分に怖気が走る。
 このままではそう遠くない内に陥落し、自分からおしおきを求めるレズM奴隷になりかねない。
 あの女に全裸で尻を振って、『お姉さま……どうか私のお尻の穴に、お姉さまの綺麗な細い指を、ぬぷぬぷって入れて、ぐぽぐぽってかき回して、気持ちよくしてください……』と笑顔で肛辱をねだる自分の姿を想像し。
 (……いっそ殺せ)
 この世の終わりを見ているような顔でそう願うのだった。

 実際の所、そうなったらソフィアはおしおき欲しさに悪戯をして迷惑をかける悪循環になるであろう事は目に見えてるので、満月はソフィアを堕とすような事はしない。
 性の超越者である満月にかかれば開発具合をリセットすることすら容易である。
 ソフィアが言う事をちゃんと聞く娘にならない限り、『おしおき』は『ごほうび』にはなり得ないのだ。
 当然、そんな事はソフィアが知る由もない。
 
 「よし、逃げよう」
 そしてほとぼりが冷めるまで屋敷には戻らないようにしよう。ソフィアはそう思い立ち、さっそく荷物をまとめた。
 片付ける、と言う選択肢などない。いつも口うるさく叱ってくる満月の言う事を素直に聞くのも癪だし――
 (そんな事したら、まるであたしが……あの女に、褒めてもらいたいみたいじゃんか)
 ――と言うわけである。
 着たまま寝てしまったので皺だらけになったメイド服も脱ぎ捨て、私服に着替える。
 マルカの服を買うついでに満月が買ってきたものなので、コーディネートが適当でもそれなりに見えた。
 愛用のリュックサックを背負い、部屋を飛び出すと。
 「あら、ソフィア。おはよう」
 「ん、ああ。おはよう……?」
 優しい目をした見知らぬ女性が歩いていて、まるで知り合いのように話しかけてきた。
 ふわっとしていて柔らかそうな素材の、淡い水色ドレス……所謂森ガールのような恰好をした、見た目麗しい女性である。
 長い黒髪には黄色のリボンが結ばれており、どこか抜けてるようなぼんやりとした雰囲気を持っていた。
 「どこか行くの? 朝ごはん、すぐできるよ」
 「え、ちょっと外に……朝飯は、腹減ってないから別にいらないんだけど……」
 「そうなの。じゃあ、気を付けて行ってらっしゃい」
 そう言って、階段の方へ歩いて行ってしまった。
 色気のない微笑みは美人というよりは可愛い系のもので、幼さが抜けきっていなかった。
 背中を見つめ、残されたソフィアが呟く。
 「……誰?」
 メイド服は着ていなかった。もしかしたら、ハルが連れてきた新人のメイドなのかもしれない。
 その割に、自分の名前を知っていた。どこかで会ったことがあるだろうかと思い、少し考えてみるも。
 「うーん……記憶にないなー」
 わからない以上気にしても仕方ない。ソフィアは満月がやってこない内に、とっととおさらばすることを決める。
 「一応だんなに報告しとくか……」
 もしも満月が一緒だったら、不審者がいると騒いでどさくさに紛れよう。
 ソフィアは廊下を忍び足で駆け、ドアが半開きになっているハルの部屋を覗き見た。
 どうやら満月はいないようだった。ノックもなしに部屋へと飛び込む。
 「だんなー! あたししばらく帰ってこないからー!」
 「…………あー、そうなんか……帰ってくる前に連絡しろよ。飯の準備しないとだからな……」
 まだ寝ていた様子のハルがだるそうに返す。
 もぞもぞと動くが、布団から出る気配はない。まだ眠っていたい様子だ。
 「あ、あとなんか知らない女の人が廊下歩いてたよ」
 「んあ……? 何それ、どちら様?」
 「だから知らないんだって。なんかあたしの事知ってて、ふわふわした格好した、アジア系ってかたぶん日本人の、なんか頼りなさそうな、だんなよりちょい下くらいで、黄色いリボン付けてる……」

 三秒の、沈黙。
 その後。
 ハルが凄まじい勢いでベッドから飛び起き、一瞬でソフィアの目の前まで移動した。
 びくんと驚くソフィアの両肩を掴み、ハルは目を見開いて尋ねる。
 「今黄色いリボンっつった?」
 「う……うん」
 「どこ行った?」
 「え、階段の方……」
 とソフィアが指差すと同時にハルはソフィアの脇を抜け、見たこともないような速度で廊下を走り抜けていった。
 「え、だ、だんな!?」
 何か尋常ではない様子だった。
 本当ならとっとと館を脱出するべき状況だが、だからと言ってこのよくわからない事態を放置するのは嫌だった。
 「なんなんだよ、もう!」
 ソフィアもハルの後に続き、廊下を駆ける。

 「もう9時だよね……?」
 パジャマ姿で一階に降りてきたマルカ。
 朝食が用意されていないので、作っている最中かなとキッチンを覗くも、誰もいない事で眉をひそめて本格的に状況を訝しんでいた。
 「満月さん、確か部屋にいなかったと思ったんだけど……」
 起きた時ベッドにいたのは、自分とハルだけだった。だからてっきり、満月が既に起きていて朝食を用意しているとばかり思っていたのだが。
 「材料が足りなくて買い出しとか……満月さんに限って、そんな事あるはずないか……」
 冷蔵庫を開けると、普段通り無駄に高級な食材が詰まっている。
 「うーん……??」
 満月はどこに行ってしまったのだろうか。
 少なくとも、部屋にハルはいたはずだ。マルカは彼に姉の行方を尋ねに行こうとした。
 すると、女性が前から歩いて来た。メイド服ではない、何者かが。
 「あ、おはようマルカ。ごめんね、もしかしてお腹減った? 今から朝ごはん作るから、少し待っててね」
 「…………?」
 さも当然と言ったように話しかけてくる、満月と同じくらいの歳の女性。
 顔立ちも満月に似ているものの、纏う雰囲気はまるで逆の、柔らかい物腰である。
 「…………あ」
 誰だろう、と思った瞬間にマルカは記憶に引っかかるものを感じた。
 こんな状況を、過去に一度だけ体験したことがある。
 そう、あれはたしか去年の誕生日。朝起きたマルカの横に立っていたのは執事姿のハルと――
 「えっと……ひょっとして……」
 その時、階段をせわしなく降りる音が奥から響いてきた。
 少しだけ驚いたように尋ねるマルカと、全速力で女性に駆け寄ってきて肩を掴み、問いかけるハルの言葉は、全く同じタイミングで発せられる。
 

 「新月さん、ですか?」
 「新月、なのか?」


 その女性はマルカに目を細めて優しく微笑んだ後、振り向いてハルに答えた。


 「おはよう、ハルくん」



  【新月ニュームーンをさがして・前篇】 












 追いついたソフィアは大体の状況を把握してひっくり返るほど驚きながらも、ある出来事を思い出していた。
 それは先週の7月7日。日本では七夕と言う祭りがあり、願い事を短冊に書いて笹に吊るせば叶うと教わった。
 『めし ゲーム ちんぽ』と汚い文字で書いて、「それ願いじゃなくて現状維持だろ」とツッコミを入れられた短冊。
 の、裏側のはしっこに。よくよく見ないとわからないように小さく願いを書いていた。


 『あねごがあたしにもやさしくなりますように』






 「マジで?」
  【新月ニュームーンをさがして・後篇】 


 「なぁ……本っ当にこの人、あねごと同一人物なの?」
 ソフィアはハルに尋ねる。
 目玉焼きを作ると新月は言ったはずなのに、最終的に出来上がったのは何故か玉子焼きを丹念に焦がしたような物体だった。
 満月だったら、目隠しをされてもこんな失態はあり得ない。
 「あ、あはははは……どうも、感覚が馴染まなくて……」
 と新月は笑うが、ハルは知っていた。
 はっきり言って、新月の身体的性能はポンコツであると。
 「……満月があれだけ何でもできるから、もしかしたらとは思ったんだけどな」
 ハルはフライパンを流しに放り込み、中華鍋を取り出した。
 そして油を計りもせずに流し込み、卵を片手で割って混ぜはじめる。
 「座ってろ新月。俺が作る」
 「……ごめんね」
 「気にすんな、いつも世話になってるんだ」
 すごすごと食卓……応接間に向かう新月を見て、マルカも口を開いた。
 「ご主人様、お料理できるんですか?」
 「満月と比べたらガキのままごとだが新月と比べりゃプロ級だ。一人暮らししてたからな」
 と言って手際よく強火で炒めていく。
 十分後には、三人分の炒飯が女子達の前に並んでいた。
 「へー。だんなやるじゃん」
 「おいしそう……」
 「……ハルくん、そんなの食べないでもいいよ?」
 心配そうに言う新月の視線の先には、先ほど新月が焦がした失敗作そんなのが鎮座していた。
 そしてそれを、ハルが箸で切り分ける。
 「いいや、新月の手料理だ。俺がいただく。さ、とっとと食えガキ共」
 マルカは手を合わせて、ソフィアはスプーンを取りながら早口で。同時にいただきますと言って、ハルの作った炒飯を口に入れる。
 「んおー、何これ美味いじゃんだんな」
 「うん、これ美味しいです。ご主人様いろいろできるんですね」
 流石にいつも満月の作る料理を食べてるだけあってリアクションは薄めだが、それでも貧乏育ちの二人はもぐもぐと食べ進める。
 それに続いて、ハルと新月もそれぞれ料理を口にする。
 一方の新月は恐る恐るといった様子でハルに尋ねた。
 「ハルくん、おいしくないでしょ? 私のと半分こしよう?」
 「何言ってんだ、欲しくてもやらんぞ。いやー、下手したら小学校以来か。久々に食ったけど結構イケるな、これも」
 そう言ってガツガツと焦げた料理を平らげるハル。
 実に四人分もの焦がし卵を、次から次へと口に入れていく。
 思い返せば、調理実習で料理を焦がしてしまい、捨てようかと思っていた時もそうだった。
 本当は美味しいはずがないのに、彼はこうやって全て食べてしまったのだ。
 「うへー、まずそー……まあ元が食い物だけマシか……」
 (……ご主人様って、やっぱりかっこいいな)
 見てるだけで口の中が苦くなりそうだと言わんばかりに顔をしかめるソフィアに対して、マルカはハルの行動に、彼の良さを改めて実感していた。
 
 「しっかし、新月に戻って大丈夫なのか? またすぐ満月に変われるかわからないから安易に戻らないって言ってたのはお前だろ?」
 「うん……それなんだけどね。朝起きたら、何故か新月こっちになってたの」
 「なんじゃそりゃ」
 朝食後のコーヒーを飲みながら状況について確認するハル。
 一応事情を知っているマルカはまだしも、ソフィアは何が何だか全くわかっていない様子だった。
 「……つまり、あねごは眼鏡を取ってリボンを着けると変身して若返るの?」
 と言った具合である。
 「まあ確かに変身したかってくらいの変わり具合だが別に人格が違ったりはせんぞ。あくまでスイッチで性格を切り替えただけだ。ってかお前は満月をいくつだと思ってたんだ……」
 「え、30はゆうに超えた年増ババアとばかり」
 「ソフィア、私の事そんな風に見てたんだ……」
 満月だったらこの場で痴態を晒すことになるような迂闊な発言にも、新月はしょぼんと落ち込むばかりである。
 「わ、悪かったよ。そんな凹まれると調子狂うな……」
 ソフィアの前での満月は『厳格で口うるさいメイド長』であった。美人であることを否定はしないが、可愛いなどと言う台詞とは無縁の女性。
 それがこんな『頼りない感じがするけど優しげなお姉ちゃん』になってたら驚くのも当然である。
 「人格が違ったりはしないってことは、三日月くんと同じで新月さんも私のこと知ってるんですよね?」
 「もちろん。マルカのことならなんでも知ってるよ。どこを撫でてもかわいいんだよねマルカは」
 質問するマルカのほっぺたを手の平で優しく触れる新月。
 いつだって優しいお姉ちゃんと認識しているマルカにとっては、新月と満月にそれほどの差はない。
 新月の手に逆らわず、その上から手を重ねてリラックスするマルカの幸せそうな顔を、ソフィアはぼーっと見ていた。
 「新月、何かしたい事とか、してほしい事とかあるか? いつも無茶言ってるから今日くらいは何でもしてやるぞ」
 「私が好きにやってることだから……ハルくんが気を遣うことなんてないよ」
 「なに満月みたいなこと言ってんだおめーは。彼氏が甘えろっつったら好きに振る舞うのが彼女の役目だろうが。うだうだ言ってねーで俺の自己満足に付き合え」
 それを聞いて新月はふふっと笑みを漏らした。
 「ありがとう、ハルくん。じゃあ、そうだね……今日は外を出歩きたいな」
 「おーデートか。そうそう、そういうのでいいんだよ」
 満月の口からはとても聞けなさそうな台詞を聞けて、ハルは大層ご満悦の様子だった。
 「じゃガキども、俺と新月はちょっくら恥ずかしげもなくバカップルしてくるから留守番よろしくな」
 「へーい」
 「わかりました。楽しんできてくださいね、二人とも」
 「おう、土産も買ってきてやるから大人しくしとけよ、特にソフィア。腹減ったらデリバリー頼んでいいから……」
 と話を進めるハルに対し、新月はきょとんとした顔で言う。
 
 「え、四人でだよ?」
 
 「あ?」
 「は?」
 「へ?」
 そういうことになった。

 遠慮気味にしてるマルカに、屋敷にいても暇になるからついていった方がいいかなと乗り気だったソフィアを加えてバスで街へ向かう。
 したいことならなんでもしてやると言ったのはハルだが、できることなら新月と二人っきりのデートが良かったのが本音だ。
 隣の席で楽しそうな顔をしている彼女を見て、ハルはやれやれとため息をつく。
 「適当な所でホテルに連れ込んでたっぷり犯してやろうと思ったんだがな。まさか『みんなで行った方が楽しい』なんて言わないよな?」
 「あはは、ごめんねハルくん。そこまでは言わないけど、みんなで行っても楽しいよ」
 「どうかしたんですか、ご主人様?」
 「いや、なんでもない」
 マルカは日本語で会話する二人が気になって声をかけるが、ハルは適当に誤魔化す。
 「私映画観に行きたいんだ。マルカとソフィアはどこか行きたい所、ある?」
 一方で新月は自分が言いだしたデートなのに少女二人に行き先を委ねる。
 「私はお洋服が見たいです」
 マルカはそこまで気にしなかったが。
 「え、あたしも?」
 まさか自分に振られるとは思っていなかったソフィアが面食らった。
 「うん。ソフィアよく外出するけど、こっちの方にはあまり来ないでしょ?」
 その通りである。
 屋敷に出入りするようになって身なりはまともになったものの、小奇麗な街に自分は場違いな気がして、用がなければ進んでくることはない。
 楽しそうな家族連れなんて、見ていて面白いものでもないから。
 「……すい」
 「え?」
 小さな声で呟くソフィアの言葉が聞き取れなくて、新月は聞き返した。
 「香水、買いに行きたい」
 俯きながら言うソフィアに対して、ハルは(臭い気にしてんのか? 別にいつも館で洗ってるから臭くないのにな)と心の中で思ったが。
 「!……」
 「わかった、一緒に見に行こうね」
 マルカと新月は、彼女の心境に気付いていた。

 最初に向かったのは映画館であった。
 買い物が……特に、洋服を買うのは最後にしないと荷物がかさばって仕方ない。
 (……俺より力ある満月ならともかく、新月には重い荷物なんざ持たせられないからな)
 人格ではなく性格を変えただけだというのに、どうしてこうも身体スペックが変わるのだろうか。不思議で仕方ない。
 ハルが先導し、三人が付いてくる形でロビーへ赴く。 
 「あ、これ見たかったんだー!」
 とラブロマンス映画を指して跳ねる新月の姿は、懐かしいながらも新鮮だった。
 マルカは珍しいものを見るような目で。ソフィアは飼っていた犬が突然二足歩行で歩き人語を喋り始めたのを見ているような目でそれを眺める。
 (エクスペンダブルズが見たいとは言えない雰囲気だな……)
 ハルは大人二枚子供二枚、映画のチケットを窓口で注文した。
 聞いたことあるようなないような主演女優の名前がタイトルの後に引っ付いているそれを三人に配って、スクリーンへと向かう。
 ハルがチケットを買っている間に新月は少女二人に大きなポップコーンとジュースを買い与えており、戻ってきたハルにもコーラを差し出した。
 「はい」
 「おう」
 こんな些細なやりとりさえ、十年近く行っていなかった。

 

 「これどうですか、新月さん」
 涼し気な薄い水色のワンピースを纏ったマルカが新月に尋ねると。
 「買おう買おう! マルカは本当に何来てもかわいいよぉ~」
 だらしない顔をした新月が即購入を決める。
 既に買い物カゴは洋服で山積みになっており、2つ目のカゴをハルがそっと隣に並べた。
 「……女が服買うとなげーんだよな」
 「全く、なんであんなに時間がかかるやら」
 腕を組んで待つハルの隣で、ソフィアもため息を吐いた。
 「お前だって女だろ」
 「あたしは寒さを凌げて悪目立ちしなければなんでもいーの」
 「おしゃれの一つくらいしたらどうだ? 美少女なのに勿体ないぞ」
 「美少女なのは否定しないけど。だってさ……着飾ったところで、破かれてちんこ突っ込まれるのがオチだよ。嫌でもないけど、意味無いじゃん」
 大した事でも無さそうに言うソフィアに、ハルが怪訝な顔をする。
 「一桁歳の発言とは思えんな……スラムに戻らなけりゃいい話じゃないのか? 俺の家なら服は破かんぞ。ちんこは入れるけど」
 「……そうなんだけどね。あたしは根っからのてーへんだから……豪華な暮らしは好き、だけど……なんか……」
 感情をどう言葉にすればいいのかわからない幼き少女。
 ハルは放任するのは無責任と感じる一方、彼女を館に縛り付けるのが最善とも思えなかった。
 「うちはいつでも開いてるからな。セックスしたい時は勿論、そういう気分じゃない時でも、いつでも来ていい。それだけは覚えておけ……
 あ、あと満月はお前にとっちゃ口うるさいロリコンレイパーババアかもしんないけどな。なんか色々盛大に間違えてるけどあれでもお前の母親でいようと思ってるんだ。嫌ってやんなよ」
 そう言われて、ソフィアは先ほど買って貰った、満月が使ってるものと同じヘアコロンをぎゅっと握りしめた。
 「……そのくらいわかってるよ。……あんがと」
 俯いて小声で応えるソフィアを抱え上げ、ハルは新月に押し付けるように渡す。
 「え、だんな、何」
 「新月、ソフィアも服興味あるんだってよ」
 「本当!? じゃあソフィアにも、色々買ってあげるね!!」
 「いや、ちょっと……」
 「マルカ! ソフィアもお揃いの着たいんだって!!」
 「本当ですか!?」
 「おーい……」
 きゃっきゃと姦しい二人の間で居心地が悪そうにするソフィア。
 そうしてそのまま、更衣室に押し込まれてしまった。
 「かーわーいーいー!」
 「かーわーいーいー!」
 「……ひどいはずかしめだ……」
 言うほど嫌そうでもないソフィアの呟きは、誰にも聞こえることはなかった。




 「ぐぅ」
 「んー……」
 遊び疲れたせいか、少女二人は帰りのバスの中で眠ってしまっていた。
 「こうやって眠ってると、ソフィアも歳相応のガキなんだがな」
 「そうだね。二人とも、本当の姉妹みたい」
 髪(と眼)の色は違えど、二人の寝顔は安心しきった安らかなものだった。
 愛に飢えていて、温もりを求めている。境遇が似ている二人は、初対面があんなことになったとはいえ、打ち解けるのも早く、すぐに仲良しになった。
 「……ソフィアにとって、マルカが支えになっていてくれればいいんだけどな。マルカに姉の役を押し付けてるようで申し訳ないけど……」
 自分の至らなさに歯がゆく思いながら、新月はソフィアの小さな体を優しく抱きしめる。
 「そうでもねーよ。お前の不器用な優しさも変態性も、ソフィアはまとめて愛として受け取ってるぜ」
 「……そうかな」
 「そうなんだよ。ま、ケツはもう少しやさしめに調教してやれ。恥ずかしさと気持ちよさと悔しさでわけわかんなくなって反抗したくなってるとこあるからな」
 「うん……がんばる」
 自らの髪を嗅いでるかのように顔を埋めるソフィアの頭を、新月はそっと撫でてやった。



 
 結局その日は寝るまで新月がソフィアに付きっきりとなり。
 「新月と恋人セックスして種付けによる種付けで妊娠させたかった……」
 と言うハルの願望はお預けとなってしまった。
 だが、有無を言わさず抱きついて一方的に可愛がってくる新月をうっとおしいと素振りを見せながらも表情が笑っているソフィアを見て、仕方ないかと笑いながらハルも早めに床につくのであった。
 

 翌日。
 何事も無かったかのように新月は満月へと戻っており、朝の8時には芳醇な匂いの朝食が食卓に並んでいた。
 (ずっとあっちの性格のままでいたらと思ったけど……そんなにうまい話はないか)
 とソフィアは思いつつも朝食をさっと平らげて自室に向かおうとすると、満月に呼び止められる。
 「ところでソフィア、貴女が使っている部屋が随分と散らかっていましたが」
 「ぎくっ」
 そう言えば、片付けるのも逃げようとしていたのもすっかり忘れていた。
 昨日はハル達の部屋で寝かされたために自室の部屋の状態を見ていなかったためだ。
 どうしよどうしよ、と冷や汗を流すソフィアに、満月はため息一つ漏らす。
 「……今回のところは片付けておきました。次からは自分で片付けなさい」
 「え……あ、うん……」
 てっきりひどく叱られるもんかと思っていたものだから面を食らった。
 満月は指をわきわきと蠢かせて、ずいと近寄る。
 「次に散らかしたまま外出したらお尻をいじめて欲しいサインだと見なしますよ」
 「わ、わかった……片付けるよ」
 「よろしい」
 と言って満月は去っていこうとした。
 その背中に、ソフィアは問いかける。
 「……姉御、今どっち?」
 「どっち……? ああ、性格の事ですか。見ての通り、『満月』ですよ」
 「あ、うん……そう、だよな……」
 どうにもしっくりこないと言った様子のソフィアに、満月はほんの少しだけ口を綻ばせた。
 「やっぱり気が変わりました。ソフィア、地下室へいらっしゃい」
 「ええええ!? 何で!? 今の質問まずかったの!?」
 絶望の表情を浮かべるソフィアを逃がさないようにしながらも優しく抱きかかえ、満月は上機嫌で階段へと向かう。
 「大丈夫ですよ、今日はおしおきじゃないので気持よくして差し上げます」
 「そ、そっちの方が怖いから! あたしはレズじゃないし! なりたくもないし!!」
 「ふふっ」
 「ふふっじゃないよ!!!」
 
 「大丈夫ですよ――とろとろにしてあげます」

 本気で言ってる目を見て、ソフィアは実感した。
 優しい方が怖い。
 午前二時。日本で言うなら、草木も眠る丑三つ時である。
「マルカは」
 闇の中で小声に尋ねるハルに、満月もまた小声で返す。
「ぐっすりと眠っておられます」
 言葉通り、二人に挟まれたマルカは涎を垂らして寝息を立てている。
 満月は自分の体に絡みついている少女の細腕を、起こさないように優しくほどいて抜け出す。
「ごめんなさいね、マルカ」
 頭を撫でて、満月はそろそろと起き上がって未だ夢見心地のマルカに布団をかけ直した。
「ま、この寝顔を見る限り起きてきそうにはないし大丈夫だろ。とっとと行くぞ」
「はい」
 ハルはガウンを羽織り、満月は全裸のまま。
 寝室を出て、食卓へと向かう。
 理由はもちろん――





【マルカに見せられないド変態セックスをしよう!①】





「いやー、子供ができて営みができなくなった夫婦の気分だな」
 ハルは廊下を歩きながら呟く。
「はい。可愛い可愛い、娘のようです」
 微笑んでそれに答える、一糸纏わぬ満月。

 マルカを交えて、度々性行為に勤しむ二人。
 倒錯的、背徳的でありながらも彼らの日常はとても穏やかで、心が満ち足りていくような暖かいものだった。
 が。
「マルカはなー、あいつは修行が足りん。満月がちょっと卵を産んだくらいで喚くわ、しょんべん飲ませてって言ったらぶん殴ってくるわ」
「恐らく陵辱を受けていたのもあって、私やご主人様との性行為にロマンを持ちたいと言うのもあるのでしょう。あれとこれとは別物だと思いたいのです」
「うーむ、そう言われると強制しづらいな……」
 満月の言うとおり、マルカの性行為に対する恐怖感は薄らいでいるようで、未だに根強く残っているようだ。
 雰囲気を出してやると面白いくらいに積極的になるあたり、恋愛沙汰に夢を見られるような心境になってよかったと言うべきではあるが。
「いつかは絶対にマルカと満月のカクテルを味わってやる……!」
 当の恋愛対象はどうしようもない程の変態両刀ペドワカメであり。
「私もご主人様とマルカのカクテルの喉越しを想像するだけで涎が湧き出てきます」
 親愛と性愛が入り交じった優しい姉はそれを上回るド変態淫乱サイボーグ肉便器である。
 既に二人のアクロバティックな性癖に少しずつ影響を受けていることはマルカも自覚しているものの、完全に染まるつもりは毛頭なかった。
 もっとも、ハルはまだしも満月の優しく緩やかな洗脳から逃れられるはずもないが。
 一応、満月の善意ではある。


「今日は久しぶりの満月パフェか。最近ご無沙汰だったからな……想像しただけでちんこから汁が飛び出しそうだ」
「私も、これからご主人様に食べて頂けると言う事実だけで排卵が始まりそうです」
 下品極まりない会話をしながらプレイの準備を進める二人。
 満月の仕込みは、前日から既に始まっていた。
 体は外も中も綺麗に洗っており、浣腸もしっかりと済ませてある。
 いつでも食器として使える状態だ。
 そして冷蔵庫には、マルカにスイーツを食べさせた材料の残り――本当はこれを行うために買ってきたのであったマルカに食べさせた方が残りなのだが、勿論本人には内緒である――が用意されており、食卓に寝そべった満月の隣に並べられた。
「ぐへへへへ、良い光景だぜ」
 とても主人公とは思えない三下悪役のような台詞を吐き、ハルは満月の豊満な乳房を指で突いた。
「あっ……」
 満月が荒く息を吐く。
 同性のマルカですら見惚れる程に美しい、彼女の肢体と、そして痴態。
 眼鏡をかけたままの知的そうな顔が、ほんのりと上気して薄桃色に染まった。
「こんな上玉を肉便器にして好き勝手できるなんて、たまんねぇよなぁ」
 ハルは下卑た笑みを浮かべながら彼女の陰核を指の腹で舐った。
『蜜を溢れさせろ』のサイン。
 もっとも、命令されなくても十数秒後にはそうなっていたであろうが。
「ふぅ、ふぅ……」
 満月の中側から、熱を帯びた液体が染み出してきた。
 主人好みになるように『味を調整した』、濃厚な肉汁。
 ほんのり甘いそれを、直接口を付けて啜る。

 ずずっ、ずちゅっ、じゅるっ、ずぞっ……。

「ああ、ご、ご主人、さまっ……!!」
 感度を強めに設定していた満月は早くもその刺激で達し、溢れる蜜の量を増やした。
「おっといけねぇ、つい口を付けちまった。まだ始まってないってのに」
 意地悪な顔でハルは口を拭い、陰唇を歪動させて情けをせがむ満月から離れる。
「さて、最初は何から行くか。まずは定番のバナナからでいいか?」
 ハルの提案を、満月は断らない。
「は、い……。ご主人様の、お好きなように」



 以前にも記載したが、満月の性行為に関するスキルは度を超えに超えている。
 一例を挙げると、膣やアナルに入れた野菜を噛み砕いてペースト状にすることができる。
 更に言うなら、胡瓜や人参を輪切りにすることも容易い。
 そして、とても生身の人間とは思えないその力で主人を傷付けることは絶対にないと断言するのだから、もうそういうものだと考える他ないのだ。
 少なくとも、ハルはその言葉を信じている。彼女の膣に、何の心配もなくペニスを突っ込むことができる。
 それを真っ当な信頼関係と呼べるのかは別として。


 まずはバナナシェイクを作る事を命じられた満月は言われるままにバナナ二本と氷三つを呑み込み、腹筋を使って砕き、かき混ぜ、更に蜜をたっぷりと絡めた。
 腹の中でごり、ごり、と氷を砕く音が、外にも聞こえてきた。
 そして『直飲みにするか……いや、今日の気分はグラスだな』の命令に従って、満月は食卓の上で蹲踞の姿勢を取り、主人専用のドリンクサーバーと化す。
 股の下に置かれたグラスに、特製のバナナシェイクを注ぐ満月。
「はぁぁ、ぁっ、冷たっ、んんっ」
 中で停滞していた冷たい液体が膣道を下っていく事に快感を覚え、喘ぎ声と共にそれを全部吐き出した。
 そして見た目にも上手そうなバナナシェイクを主人が一気飲みする姿を見て、ぞくぞくと背筋を震わせるのだった。
「おっと、こぼれちまった。って冷たっ!」
 案の定と言うべきか、バナナシェイクはハルの股間へと溢れる。彼が冷たさを感じるとほぼ同時に満月は反応し、そこを暖めていた。
 濃密な甘さのバナナシェイク。今の今まで自分の中に入っていたその液体の味を舌で確かめていると、更に濃い液体を口に受けた。
「ふぅ、興奮してたせいで早漏を披露しちまったぜ。ま、まだまだ出るから心配すんな」
 名残惜しさを覚えながら、満月は彼のペニスから口を離し、この世で一番好きな飲み物(二番目はハルの小便である)を飲み干して。
「ああっ」
 涙すら流しながら、その快楽に、背徳に、自らの体を抱きしめて言った。
「……なんて幸せなのでしょうか、私は……」

 夜はまだまだ続く。
 金持ちの悪趣味な宴は、始まったばかりであった。
【マルカに見せられないド変態セックスをしよう!②】

 満月の体。義妹にとっては暖かい抱き枕であるそれは、主人にとってのおもちゃでもある。
 特に、性器は。並大抵の『遊び』では壊れないように頑丈にできているため、ハルは一応事前に大丈夫か尋ねながらもあまり躊躇なく異物をぶち込む。
「あぁっ……ご、ご主人、様っ……」
 金属製の器具で膣穴を広げられ、そのまま固定された満月は、内性器を外気に晒して僅かな寒気を感じた。
 バナナペーストの残りが僅かに付着するそこの奥には、子宮口が見える。
 いつの日か主人の子供を身籠もる事を想定し、やはり丈夫にできているその器官が僅かに口を開閉させていた。
「満月、今そこは使えるか?」
「は、い。私の体は、どの穴でも使用できますし、ご希望なら新しく穴を空けて頂いても構いません」
「んなことしたら俺が構うわ。まあ、大丈夫ならいいや」
 ハルは用意しておいた小豆……粒あんの瓶から小さいスプーンで適量を掬い取り、開ききった満月の穴へとそれを入れた。
 そして、奥にある方の穴へと向かって言う。
「あーん、しろ」
「はい……」
 本来は爪楊枝一本程度しか入らない小さな穴。だが同時に、そこは赤子を出産するために大きく開かれる場所でもある。
 そして、満月の肉体コントロールならそれを開ける程度、造作もない。
 奥の穴が、甘味を欲しがるように大きく歪動した。
「んんっ……」
 そしてスプーンごとそれを呑み込み、盛られたあんこだけを残してずるりと吐き出した。
「美味いか?」
「はい……とっても甘くて、湧き出た涎が、たっぷりと絡んでいます……」
 子宮内に味覚を持つことはないが、それでも満月は美味そうに舌を見せた。
 ハルは性奴隷への餌付けを面白がり、粘液で光るスプーンで再び粒あんを掬って満月の口へと入れる。
 満月は艶めかしい声を上げながら、自分の生殖器が食器にされてるのを感じて荒く息を吐いた。
 そんなことを数回繰り返し、次は白玉だんごをそこに投入し始めた。
「ひぅっ……!」
 今までの流動的な食感より、もう少し固形感の強い球体が中を圧迫する。
 もちろん、満月にとってそれは悦楽を呼び起こすものである。
「このぜんざいは入れ物まで美味そうにできてるな。さて、あとは何を足すか……」
 囓りたいくらいだ、などと余計な事を言えば満月は必死になって子宮もろとも囓らせようとしただろう。
 褒めるのも大概にしておいたハルは満月をしばし放置し、テーブルの食品を眺め始めた。
「ふーむ」
 小豆を使ったからには、抹茶アイスが目を引く。バケツサイズのそれをとりあえずたぐり寄せ、使用することに決めた。
 そして、生クリーム。やはりこれは外せないだろう。いささかソフト目はプレイではあるが、基本は大事だ。
 最後に、ウエハース。柔らかい素材が多い中でこれはいいアクセントになるはずだ。
「よし……おっと、ケツの方も使わんとな。どれにするか……これかな、今日の気分は」
 そうして手に取ったのは、チューブに入ったチョコレートソースであった。ハルは大きい方のスカトロプレイは基本的にしないが、疑似行為なら大好物である。
「腹が膨らむまでたっぷりぶちこんでやるからな」
「はい。どうぞ、好きなだけお入れください……」
 満月の嬉しそうな微笑に、ハルは下腹部を滾らせてそれらを詰め込み始めた。
 先ほどのよりも大きいカレースプーンで抹茶アイスをこそぎ取り、膣口へと放り捨てるように投入していく。
 満月が冷たさに身を震わせている間に、ウエハースを数個差し込んで彩りを加え。
 ホールケーキ一個分以上はある生クリームを、思いっきり彼女の膣内で搾り始めた。
「あ、っ……!!」
 みるみる内に、彼女の膣穴が白く染まっていく。クリームは溢れる程に注がれるが、まだまだ絞りきるには至らない量だ。
 そこでハルは膣口の固定器具を外して、満月に言った。
「満月」
「はい……何、でしょう」

「しっかり咥えろ」

 意図を理解できない満月ではない。
「かしこまり、ました……」
 これまでに何度も達し、すっかりと上気している満月は、それでもなお寸分狂わずにしっかりと膣口を締めた。
 絞り袋だけを、唇で保持したまま。


 ずにゅっ、ぶぴゅる、ぶぷっ……


 生クリームを絞る音と共に、満月の腹が膨れていく。
 直にたらふく飲まされた満月は、それを全て性器で受け止めたのだ。
 妊婦のようになった満月を見て、ハルの息づかいも荒さを増す。
「今すぐ食いたいとこだがその前に下の方が我慢ならん。満月、早めに一発頼む」
 そう言って、ずい、と逸物を彼女の口……顔の方の口にと突きつけた。
「はい。十秒で搾り取らせて頂きます」
 言うや否や満月はハルのものにむしゃぶりつき、心底美味そうにそれを舌で、頬で、味わう。
「うっ……」
 粘液の荒波に揉まれているような、柔肉の暴力。淫靡な音と共にハルの精子が上っていき、コンマ一秒の狂いもなく満月の口内へと吐き出された。
「ごちそうさま、でした」
 ごっくん、と飲み干したが、満月の口端からは一筋の白線が落ちていった。
 まるでクリームのように白いそれを見て、ハルは改めてテーブルを下り満月の股ぐらを眼前へと見据える。
「見れば見るほど美味そうなパフェだな……っと、先にチョコも仕込んどくか」
 今すぐにでもそれを味わいたいハルはチョコレートソースを雑に手に取り、満月の尻穴へと雑に突っ込み、雑にチューブを握りしめる。
 そうしてそれを雑にテーブルに投げて、クリームが覗く膣口をぺろりと一舐めした。
「んっ……」
「クリーム、出してくれ」
「はい……」
 にゅるり、と白いそれが彼女の秘部からゆるやかに溢れる。それを舌で受け止めながらも、ハルは陰唇を弄くった。
「ふぅ、ふぅ、はぁっ……」
「抹茶出せ抹茶」
「かしこまりました……」
 満月が、下半身をくねらせて器用に腹の中を入れ替える。
 五秒と待たせずに出てきたのは、クリームに塗れた緑色のアイスであった。
 ひんやり冷たいそれを、暖かい彼女の性器から受け取り味わう。
「次ウエハース」
「お任せを……んっ」
 膣内をシェイクし、滑らかに板状のそれを吐き出す満月。
 神社のおみくじのようにするりと出てきたそれを、ハルは彼女に咥えさせたままポッキーゲームのように囓り取っていく。
 そして全部を受け取り咀嚼すると、ハルはうーむと唸った。
「勢いで全部入れたけど、こりゃクリーム多すぎて全部食うのはちょっときついな。ま、先にあんこと白玉を食うか。子宮開けろ満月」
「はい、お開け致しました」
 奥は見えないが、満月がそう言ったからには開いたのだろう。
 ハルはスプーンを手に取り、早速それを奥まで突っ込み始めた。

 直接彼女の膣に口を付けてクリームを啜ったり、それを彼女に口移しで食べさせたりしてそれなりには味わった。
 が、未だ半分以上はアイスや小豆と共に彼女の中に残ったままである。
「ま、チョコもあるしこっちはこの辺にしとくか。満月、そのボウルにでも産んどけ」
「はい、ただいま」
 重そうな腹を抱えて立ち上がった満月はバナナシェイクの時と同様にそこに跨るように座り込む。
 そして。
「あっ、ごっ、ご主人様っ……どうか、私の下品な姿を、ご覧下さいっ……!」

 ぶりゅっ、ぶぴゅっ。
 じゅぽんっ、びゅぴゅっ。

 満月の膣穴から、大量のクリームが飛び出した。
 ウエハースとアイス、小豆と白玉の混じったそれは、食欲をそそる甘い匂いを漂わせる。
「はぁっ……はぁっ……」
 前の穴に入っているものを全てひり出して肩で息をする。が、まだ後ろの穴にはたっぷりとチョコレートソースが詰められたままである。
「はいそしてこちらに温めておいたクレープがございまーす」
 前もってレンジで加熱しておいた作り置きのクレープ四枚の乗った皿を、ハルはことりとテーブルに置いた。
「そういうわけで、チョコをたっぷり絡めてくれ。それも、さっきより下品にな」
 満月の容姿は端麗で、体は清潔だ。
 だからこそ、ハルは彼女に下劣な行為を強要させて愉しむ事ができる。
「お安いご用……です……」
 高めに快楽を設定している状態であり常人では狂っている程のオルガズムを全身で感じているが、満月はそれを制して皿の上に跨った。
 尻穴を二度ひくひくと歪動させてから、クレープへと腰を下ろして柔らかい感触を尻に受けた。
 そうして両手で尻を左右に開き、味わうようにぐりぐりと尻穴を押しつけて。
「んっ……暖かい……」
 括約筋を、緩める。
 
「あっ……」
 限りなく排泄音に近いそれが、彼女の菊穴から飛び出した。
 液状のチョコレートが、クレープの上に飛散する。勢いはやや強いが、飛沫がそこらに舞うほどでなかった。
 蕩けきった満月の顔が、排泄の悦びでさらに歪む。
 確かにその光景は排便に似てはいるが、とろみがあって混じりっ気のない液体が甘苦い香りを放ちながら滴るのは、淫靡と呼ぶほかなかった。
「いい眺めだ。じゃ、それを食わせてくれ。手も足も、ついでに口も使わずにな」
 満月はこくりと頷き、ためらわずにチョコレートに塗れた美味そうなクレープを一枚、尻肉で挟み込んだ。
 そして体勢を変え、それを保持したまま主人の口元へと突き出す。
「どうぞ、お食べくださいませ」
 悪趣味ここに極まれりと言った光景だが、ハルの嗜好には合致した行為であった。
 ハルはペニスを握りしめ、彼女の差し出すクレープを口で受け取った。
 チョコレートの甘みが口内に広がる。そのまま食べ進めていけば、生地とは違った柔らかい肉が現れた。
 囓ればチョコレートをひり出す、容器に他ならない。
「あぁっ……!」
 ぴゅぴゅっと吐き出された絡めて味わいつつ、ハルはクレープ一枚を食べきった。
「満月もクレープ、食いたそうにしてるな?」
「は、はい……」
 それが事実かはどうでもよかった。
 否……ハルがそう言った時点で、それは紛れもない事実に変わった。
 ハルは満月を四つん這いにさせて、テーブルへと登り、今しがた口で愉しんでいた彼女の尻穴、チョコレートが滴るそこへとペニスを挿入した。
 よく締まる穴はソースによって滑るようになっており、注送をスムーズにさせている。
「ほら満月、どんなクレープが食いたいんだ? 言ってみろ」
「あっ、あんっ、ご主人様っ、ご主人様のおいしい精液がたっぷりかかったクレープですっ……! どうかこの食器に、お情けを下さいませっ……!」
「じゃあ、しっかりと搾り取らないとな」
「はいっ……! はぁ、んっ……」
 満月は主人の握力に匹敵する力で括約筋を締め、勢いよく尻を前後に振り立てた。
 必死のおねだりに、ハルも答える。
『お情け』を腸内に注ぐことによって。
「~~~~~~~っ!」
 声にならない声を上げて、満月はその熱を享受した。
「はー、美味い美味い。ホワイトチョコレートだなんて時代遅れのギャグは言わんが、まあたっぷり味わえ。口でもな」
 ハルは尻からペニスを抜き放ち、野菜ジュースを飲んで一息入れると、残ったクレープの皿の前に座り込んだ。
 そして、射精したばかりのそれをチョコレート塗れのクレープで巻き付けた。
 ハルの方の準備ができたのを確認し、満月も再び皿へと跨る。
「ん、あっ……」
 排出の音。茶色が噴き出た先ほどとは異なり、出てきたのはほとんど白い液体であった。
 自らが出したそれが絡むクレープは、彼女にとってこれ以上ないご馳走である。
 下品に、と申しつけられた彼女は、這いつくばって、手も使わずに、それを味わった。

「ああ……私の出したチョコレートとご主人様のザーメンが絡んだクレープ……それが巻かれた、ご主人様の太いおちんぽ……。
 まるでこの世のものとは思えない美食……私なんかが、口をつけられるなんて……」

 主人のペニスには一切歯を立てず、クレープだけを囓り取っていく満月。
 肉棒が露出したらそこを丁寧に舐めしゃぶり、追加の汁を受け止めて恍惚に浸るのであった。

「ご馳走様、でした。ご主人様、もしよろしければ、こちらにもお情けをお願い致します……」
「味を占めやがって、淫乱メイドめ。まあいいだろう、褒美を受け取れ」

 肉欲渦巻くパーティーは、空が明るくなるまで続いた。






 
「……」
 次の日の昼過ぎ。
 牛乳を飲もうとして冷蔵庫を開けたマルカは、ボウルに入った生クリームを発見した。
「満月さん、これ何ですか?」
「あらあら、目ざといですねマルカは」
 ふふっと微笑んで返す満月。
「見つからないうちにこっそりとケーキを作り食べてしまおうと思っていたのですが」
「ええー、ずるいですよー」
 ふくれるマルカに、満月が手を振って答えた。
「冗談です。食べたいのなら、後で一緒に食べましょうね」
「はーい! やった-、今日もケーキが食べられる!」
 冗談ではなかったのだが、見つかってしまったものは仕方がない。
 数時間後、マルカは何も知らずに完成したケーキを笑顔で食べるのであった。
【女同士、おんなのこどうし】

「だーんーなー。ちんぽ入れてー」
 ノックもせずにハルの部屋に入り込むソフィア。満月は掃除中であることは確認済みである。
 ハルはと言えば、一人暗い部屋でベッドに座り、何やら映像を見ながら手淫に耽っていた。
「なんだよーオナるくらいならあたしとヤろうよー」
 彼の横に座ってゆっさゆっさと身体を揺らすと、ハルは優しい手つき(ペニスを握っていた手である)でソフィアの頭を撫でてきた。
「おーよしよし可愛い淫乱ロリめ。ちょうどいいからオナホールにしてくれるわ」
「なんでもいいからちんぽ入れてってば。って、あれ」
 ハルに抱きつきながらディスプレイを見やると、そこに映っていたのはソフィアのよく知る人物だった。
 一番苦手とする人物と、一番そばにいて安心できる人物。
 彼女ら二人が、映像内で淫らに絡み合い、肉を貪っていた。


『ぁ、まんげつ、さん……』
『今はお姉様、ですよ』
 全裸の少女が伏せている上に、性器と乳房を曝け出した下着のみを纏った女性が覆い被さっている。
 両手の指をそれぞれ少女の口内と秘所に忍び込ませて、扇情的な顔つきをしていた。
 悦楽に震える妹の首筋を舌でなぞり、細い指で少女の粘液をかき混ぜ、水音を奏でる。
『ほら、こっちの指一本じゃ足りないでしょう? おまんこに何本欲しいか、言ってごらんなさい』
 切なそうな顔をする妹の耳元で囁く姉。それに対し、妹は耳まで赤くしながら答えた。
『に、二本……』
『本当に?』
 姉が第一関節を折ると、妹の口から高音が漏れた。
 僅かな手の動きで玩具のように弄ばれる妹。姉はねっとりとした口調で、もう一度問う。
『本当に、二本でいいのですね?』
『っ……』
 姉が手を止める。少女は数秒無言でいたが、やがて小さい声で零した。
『……三本、入れて下さい』
『よくできました』


 身体を精一杯仰け反らせて激しく震えさせるマルカと、嗜虐的快楽に妖しい微笑みを浮かべる満月。
 ハルの感想は、
「めっちゃシコれる」
 だったが、一方でソフィアは苦い顔をしていた。
「きもちわるー。何で女同士でやんのかね。だんなの趣味?」
「それもあるが満月がロリコンを俺以上にこじらせててなぁ」
「あの女頭イカれてるよ……」
「ソフィアはレズ嫌いなのか?」
 嫌いも何も、とソフィアはハルのペニスに頬ずりしながら答える。
「セックスって男と女がするもんじゃん。他人のまんこほじって何が面白いんだろ」
 はむー、と勃起したままのハルを咥えて幸せそうに目を伏せた。
「マルカもあれで楽しんでるけどなぁ」
「うっそだー。絶対脅されてやってるでしょ。せんぱいかわいそー」
 ハルはその言葉を聞き、ふむ、と一計を案じ始める。


 翌日。
 皆より遅く起きたソフィアは用意されていた朝食を食べ、もう一眠りするかな、などと考えながら廊下をすたすた歩いていた。
 すると、後ろからマルカが駆け寄ってくる。
「ソフィアちゃーん、これから何かやることある?」
 自分より頭半分背の高い少女は、親を亡くしてから一人で生きてきたソフィアにとっては恩人であり、姉のような存在である。
「寝ようと思ってたけど。どうしたの?」
「じゃあ私も一緒に寝てもいいかな?」
「んん?」
 一緒に寝る、の意味を考えるソフィア。
 普通に考えて、同じベッドで隣り合って眠る、と言う事だろう。
 まさかこれまでソフィアが男としてきたみたいに、セックスをすると言う意味ではあるまい。
 屋敷にあるベッドはどれも大きく、ソフィアが使っている部屋のも子供二人くらいなら余裕を持って寝転がることが可能だ。
「別にいいよ」
 ソフィアは快諾し、自室に招いた。
「あたし奥に詰めるから、せんぱいこっちね」
「うん!」
 ずっと寝間着だったソフィアはそのまま潜り込み、メイド服のマルカは脱いだ服を丁寧に折りたたんで、下着姿で布団に入る。
 そして奥で転がるソフィアの腹と胸に、腕を巻き付けた。
「おお?」
「んー……ソフィアちゃんやわらかー……」
 いきなり抱き枕にされて困惑するも、拒絶はせず。
 ハルの手つきともまた違う、すぐに振りほどけそうな優しいそれを、ソフィアは特に気にしないことにした。
 の、だが。
「ソフィアちゃん、女の人嫌い?」
 と、この状況で問いかけられると気にもなる。
「……別に、嫌いじゃないよ。男が好きなだけ。あとは……よくわからない」
 物心ついた時には既に母親がおらず、幼少期を父親とのみ過ごしていたソフィアにとって、自分以外の女性は得体の知れないものだった。
 ホームレスとして身体を売って生活してた頃は縄張り争いで邪険にされていたので、そもそも女性との関わり自体がほとんど無い。
「そっか。私はソフィアちゃんの事、大好きだよ」
「どうしたのさ急に」
 むずがゆさを感じて、ソフィアは軽く身を捩らせる。マルカの腕に、小さな温もりが動くのが感じられた。
「私、ソフィアちゃんの事妹だと思ってるの。ソフィアちゃんが寂しい思いをしてたら、すぐに駆けつけて抱きしめてあげたい。ソフィアちゃんがお腹を空かせてたら、ご飯を作ってあげたい。だから、困ったことがあったら、なんでも言ってね」
「そんなこと言われても……別に、大丈夫だよ」
 心の中になにか、暖かいものを感じつつ。
「……寝るから」
「うん。おやすみなさい」
 ソフィアは自分と同じくらい細い姉の腕を、そっと指の腹で触った。
「さて、晴れて俺の嫁候補となったマルカ」
 あれだけ交わったのに、ハルのペニスはまだ元気そのものであった。
 かつては嫌悪と恐怖の対象だったそれを突きつけられても、マルカはもはや興奮の方が勝る。
「は、はい」
 むっとする男の匂い。
 先端から垂れている、白い液体。
 どれもこれも、愛するご主人様の物だと思うと愛おしくてたまらなかった。
「俺と結婚したいなどとのたまうからには、その小さな口も、未発達のまんこも、ケツの穴も全部俺のオナホールだ。好きなときに道具のように使うつもりだが」
 と言って、ハルは頬にそれを押しつける。
 性器とはまた違う柔らかい感触をそこで味わい、擦りつけながら続けた。
「本当にいいんだな? 泣いても喚いても、お前は一生俺の性奴隷、肉便器だぞ」
 一方でマルカは、自分に向けられた欲望の固さに息を荒くする。
「ご主人様、の……」
 想像しただけで、マルカの身体が熱を帯びた。
 毎日毎日、休む間もなく全身に陵辱を受けて。
 たまの戯れに、たっぷりと愛される。
 胸の奥と、下腹部の内側がきゅ、と締まった。
 悦びを想像して。
「はい……! 私、ご主人様のオナホールに、肉便器になります……!!」
 その悦びをもたらしてくれる主人の棒に、マルカは優しく口付けし。
 自身の口……『穴』で、それをくわえ込むのだった。
 じゅぷっ、じゅっ、ぬちゃっ、れろっ、にちゅっ……。
「いい心がけだ。前よりも、中々楽しめる口まんこになってるじゃねぇか」
 ハルが言うとおり、度重なる奉仕によりマルカのフェラチオは、娼婦のそれだった。
 小さい口ながらも奥まで咥えこもうとするその動きに、ハルは満足を……

「けどな、全然ぬりぃんだよ、ガキ」

 ……しなかった。
 必死に主人を愉しませようとする少女の頭を両手で掴み、ゆっくりと引き寄せる。
「んんっ! ~~っ!」
 喉奥に異物を突っ込まれ、反射的に叫ぼうとするも、声にならない。
 ハルはそれを知りながら、前後運動を開始する。
「おー、やっぱ奥まで入れるとオナホールって感じがするわ。おう、もっと舌絡ませろ、舌」
 無茶を言う主人の命令に、涙をぽろぽろ零しながらもどうにか闇雲に舌を動かすマルカ。
 喉を突かれる慣れない感触に、身体が一々反応してしまう。
「ほい、一発」
 その声と同時に、食道に熱いものが注がれた。
 どうすることもできず、マルカはただそれを受け入れる。
 数秒のち、肉棒が引っこ抜かれてマルカはようやく、呼吸を整える事を許される。
 激しくむせ返るマルカに、いつもなら慌てて『大丈夫か!?』と背中をさするハルは髪の毛を掴んで顔を上げさせた。
 真っ赤になったマルカの目に、冷徹な表情が映る。
「こんなのは序の口だ。やめてと言ってもやめないし、言った時点で更に激しくしてやる。人権なんてあると思うな。もう一度、最後に聞くぞ。よく考えろ」
 ハルはそこで区切って、ゆっくりと尋ねた。

「お前は俺の肉便器に、本当になりたいのか?」

 怖かった。
 いつもと全く違う、お兄ちゃんの凄む顔が。一動作が。

「……はい…………私、頑張るから……頑張りますから……」

 それでも、マルカはハルを愛したかった。
 ハルの過剰な、暴力的な愛を身体で受け止めたかった。
 例えそれが過激化し、ボロボロになってしまったとしても。
 そして完全に壊れてしまったとして、裏切られたなんて絶対に思わない。
 あの恩は絶対に忘れないし、あの言葉は絶対に嘘ではない。
 そう信じていたからだ。

「私の身体で、気持ちよくなって欲しい……です……」

 マルカの精一杯の言葉に、ハルは髪の毛を離して軽く嘲笑した。

「バカなガキだぜ。ちょっと優しくしてやったらこれだ。まぁ、せいぜい使い潰してやるよ、穴」
 引き出しから手の平大の輪っかのような物を取り出し、マルカへ放り投げる。
「これ、は」
 首輪だった。革製で、リードを引っかけるフックが付いている。
「それを付けたら服は着ないもんと思え。オナホールに服はいらねぇからな」
 鼓動が激しくなる中で、マルカはそれをゆっくりと首に巻き付けた。
 ハルが近寄り、装着感を確かめる。
「息苦しくないようにしろよ。窒息で死んだら、長く楽しめねぇからな」
「はい……」
 弱々しく答えるマルカ。
 その尻穴に、ねじ込むように指が当てられる。
「ひっ」
「口とまんこは犯したがこっちはまだだったな。すぐにぶち込めるようにしてやる。ケツ向けろ」
 そう言うと、ハルはベッドに寝転がり、マルカに手招きする。
 マルカは恥じらいながらも、彼の顔へとおずおずと尻を近づけた。
「ケツ穴広げてやるからちんこしゃぶってろ」
「はい」
 もうマルカは、ハルの指示に背くことはない。

 部屋に水音が響く。
 マルカが丹念にフェラチオをする音と、ハルがマルカの肛門を舐めしゃぶる音だった。
 愛する人が、最も恥ずかしい所を舐めていると言う事実と、くすぐったさと気持ちよさと気持ち悪さが混じった感覚をそこで受け続ける事で、マルカは興奮と羞恥に股を濡らした。
 秘裂から蜜が落ちると、ハルはマルカのそこを指で慰めてやる。
 中指と薬指で襞をかき分け、穴を抉り、くいくいと第一関節を曲げてやるとマルカの尻が上下に揺れた。
 窄まっていた肛門も、ぷくりと膨らんだりひくひく歪動したりとマルカの意思に反して多彩に動く。
「んっ……んんっ……!」
 口奉仕をしながらも、マルカは主人の舌と指に翻弄されて軽く数回絶頂を繰り返す。
 その度にフェラチオは止まっていたが、主人からの罰はなかった。
 軽く数十分の間、嗜好品として尻穴の味を晒していたマルカのそこに、新たな刺激が加わる。
 指だった。
「ガキ、力抜け」
「はひ……」
 唾液で濡れた肛門に、膣液で濡れた中指があてがわれる。
 摩擦力の少ないそれらは、ハルが力を入れると少しづつ合わさるように入っていく。
「下手なフェラチオ止めていいぞ。その代わり、今何をされてるか言ってみろ」
「い、いま……ご主人様の、指が……私の、お尻に、入り、かけてますっ……!」
 言っている間にも指の侵入はどんどん深くなり、指の先、爪までがすっぽりと収まった。
「てめぇにお尻なんて存在しねぇよ。あるのはケツまんこだ。ちゃんと言え」
「は、はい……! 私の、おけつまんこに、ご主人様の指を、ぐりぐりってねじ込んでいただいてますっ……!」
 第一関節、第二関節と順調に入ったそれは、マルカの腸壁を激しく抉り取るように刺激する。
 指一本にも関わらずその締め付けの強さに、ペニスを挿入したときの感覚を想像して、ハルは卑しく笑った。
 指を引き抜こうとすれば、肛門付近の肉を張って吸い付くようにそれを圧迫するのだ。
 左に右にと指を回しながら、どうにか全部抜けばマルカの肛門はすぐに閉じてしまった。
 だが、その指の感覚は覚えている。尻穴も、脳も。
「待ってろ」
 ハルは一段下の引き出しから細めのディルドを取り出し、ローションを多めに垂らす。
 太さは指二本分ほど。ペニスよりは小さいが、少女の肛門に突き刺すには太い。
 が、躊躇なくそれをねじ込む。
「ふっ、あああぁっ……! くる、しっ……」
 圧迫感に囀るが、それはしっかりとマルカの尻穴へと挿入される。
「よし。それを入れたまま、こっちを向いて跨れ」
 マルカはよろめきながらも、ディルドが抜けないように手で押さえながらハルの方へと向き直る。
 寝転がっていたハルは上体を起き上がらせて座っていた。マルカは、おずおずと彼のペニスへ腰を下ろす。その途中で、ディルドを押さえる右手にハルの手が添えられて、マルカの心拍数が跳ね上がる。
「っ……!」
「?」
 ハルはマルカと交換でディルドを押さえ、抜けないように保持する。
 そして左腕で彼女を抱き寄せて密着させた。
 上目遣いで見てくるマルカの恥じらいの表情。ハルは尻穴陵辱によるものだと疑わなかった。
(近い……)
 それももちろんあったが、一番の原因は身体と、顔の距離であった。
 胸はくっついていて、心拍まで聞かれてしまいそうで。
 冷たい目をしている主人の顔は、これまで見たどの男よりも冷たく、美しいものだった。
 マルカの幼い性と恋心が、下腹部をきゅっと締めた。
「動くぞ」
 ハルにとってはそんなことは知るよしもない。
 激しい上下運動で彼女の性器を穿ち、快楽を得る。
 その顔が中々そそるものであったから、唇を奪い、陵辱する。
 力を込めれば折れてしまいそうなほど柔らかく細い身体に、主従関係を刻むかのように。
 激しく犯してやった。
 再奥に欲望をぶちまけてやると可憐な肉穴は喉奥から声を荒げて痙攣し、吸い込むように中を動かす。
 口を離してやると、マルカの顔はすっかりと蕩けていた。
「口まんこはチンカス掃除にしかなんねぇが、まんこの方の具合は悪くねぇな」
「あ、……りがとう、ございます……」
 ペニスを抜いてやると、膣の奥からごぽりと精液がこぼれ落ちる。
 だがこれで終わりではない。むしろ、これまでのは前戯に等しい。
「そろそろ、こっちの穴も良い具合になってる頃か」
「あ……んっ」
 尻穴に深々と入っていたディルドを引っこ抜く。指を当てると、そこは物欲しそうにひくひくと開閉を繰り返していた。
 指の一本、二本にくらいなら、もはや抵抗なく入ってしまうだろう。
「さっきみたいにケツ向けろ」
「かしこまり、ました」
 言われるがままにマルカはハルに尻を向ける。
 ハルは舌なめずりをして、その中心に肉棒を密着させた。
「いいかガキ。お前のケツまんこにはこれから俺のちんぽを何回も入れられて、しっかりと形を覚えさせられる。
 今日からトイレに入ってクソをひり出す度に、俺にケツ穴をほじられた事を思い出すんだ。
 その内クソをしただけで気持ちよさに俺の名前を叫びながらイキ顔晒す変態ロリオナホールになれるからよ。嬉しいだろ?」
 返事を待たずに、剛直が幼い肉穴を奥までぶち抜いた。
「んはっ……!!」
 四つん這いの姿勢のマルカが、仰け反った。息は止まり、汗が全身からぶわっと湧き出た。
 先程まで膣穴で迎え入れていたペニスより、何倍も太く感じる。
 串刺しにされたような感覚だった。
「おっ、いい具合じゃねぇか」
 一方のハルはねじ込んだ亀頭で腸壁を舐める。
 出口……今は入り口である肛門だけではなく、中の肉筒も収縮して、絡みつくようにペニスを締めていた。
 マルカの意思に関係無く、反射としてきつくなっているそこから、強引に引き抜く。
「ああああああああぁ~っ!!!」
 そして半分ほど出たところで、また奥までほじくり抜いた。
 大きく跳ねてそれを感じるマルカの悲鳴が、耳に心地良い。
「たまんねぇな……やっぱガキはケツ穴に限るぜ」
「あっ……」
 マルカは衝撃に耐えかねてぷしゃあ、と失禁し、布団と主人の足を濡らした。
「ごめ、な……」
 声にならない謝罪をする少女に、ハルは落ち着いた口調で言った。
「汚ぇガキだな。まぁ構わねぇよ。これから三時間ぶっ続けでケツ穴レイプするんだから、どうせその内漏れる」
「さんじ、かん……?」
 マルカがその単語に反応を見せた。恐る恐ると言った表情で振り向く。
「あぁ。さっきケツ穴舐めた時に強めの精力剤飲んだからな。三時間はずっとガチガチだ」
 そう言って、大きく一回腰を突き出す。
「んぎぃっ!」
「嬉しいだろ?」
 主人の問いかけに、マルカはただ微笑んで、
「は、い……」
 と答えた。

「あああああああっ!! しゅご、すごいっ……!! ふ、ふとっ、おちんぽっ、おしりに、入ってるっ!!」
「お尻?」
「ちがっ、けつまんこっ、けつまんこですっ!! わたしの、けつまんこにっ、おくまでっ、入ってますっ!!!」
 尻穴陵辱を開始してから一時間が経った。
 最初は悲鳴を上げたり息を呑んだりするだけだったマルカは、ハルの技巧によりすっかり好き者にされていた。
 いつしか悲鳴は嬌声へと変わり、前の穴からは別の液体をそれぞれ一回ずつ噴き出していた。
「すごい、きもちい、ですっ……! ごしゅじんさまの、おちんぽ、ずんずんって、きてっ……! あたまがっ……」
 尋ねてもいないのに、自分からアナルセックスの感想を報告するマルカ。
 快感のあまり上体はへたるように突っ伏し、尻を持ち上げてるだけの姿勢になり尚尻穴の感覚に焦がれている。
 疲れ知らずのハルは肉棒でなかをこねるように、かき混ぜるようにぐりぐりと動かして彼女にどこが当たっているかを報告させ、その途中で深く突いた。
 ゆっくりとペニスを抜いてやり、抜きはなった所で穴をつついてやると、肛門は物欲しげに蠢く。
 その穴にスムーズな注送をしてやると、マルカは発情期の犬のような声を上げた。
「ああっ!! あんっ!! あぉ、おっ!! ひっ、ふっ、はぁっ……!」
 快楽に溺れる少女。なされるがままのそれを、ハルは羽交い締めにするように腕を組ませて、抱きかかえ。
 持ち上げて。
「あ――」
 落とす。
「――~~~~~っ!!」
 自分の体重がそのまま重りとなって、聳立する肉棒へとその身が突き刺さる。
 熱く硬いペニスが奥まで、深々と、尻の穴をほじくり抜いた。
 同時に先端から、どろどろの熱いマグマのような種汁が勢いよく噴き出して、マルカの腸壁を焼くように穿った。
「あーーーーーーーーっ!!!! あーーーーーーーーーーーっ!!!!!! ……あっ、ひっ……」
 尻穴を性感帯にされていたマルカは、背筋を振るわせて大きく二回達した。その後、余韻で軽く数度痙攣し、ぐったりと後ろに倒れ込んだ。
「串刺しの刑だ。ほれ、こいつもぶち込んでやる」
 マルカを突き刺したままハルは歩き、引き出しの中から自分のものと同サイズのバイブを取り出した。
「……」
 マルカはそれを見て、力なくえへらと笑った。

 マルカが絶頂で気を失う度、ハルはそれを陵辱で叩き起こした。
 三時間ぶっ通しで入り続けていたそれをマルカの尻穴から抜く。
「……すーすーします……」
 マルカはもう、尻穴にペニスが入っていない方が不自然に感じられるようになっていた。


 昼食時も、マルカはハルの性玩具として扱われた。
「ぺろっ、ちゅっ、ちゅるっ、じゅぷっ……」
 ハルが優雅にフレンチを食べている間、マルカは彼の肉棒を咥えさせられていた。
「飯が食いたきゃ、満足させろ」
 そうご主人様に言われた奴隷は、空腹を肉しゃぶりで誤魔化すように必死に貪る。
 腹に入れられこそしないものの、唾液と絡んだそれは倒錯感のせいで本当に美味しいように感じられた。
「少々物足りねぇが、まぁいいだろう。ほれ」
 小皿に分けられた、牛肉のワイン煮が五切れ、マルカの目の前に置かれる。
 香ばしい匂いのするそれを手に取ろうとした瞬間、ハルがその手を軽く踏みつけた。
「待て、だ」
「はい」
 味を想像して、マルカの腹からきゅると音が鳴った。
「まさかそのまま食えるなんて思ってねぇよな? お前は俺の、何だっけ?」
「わたしは、ご主人様の……オナホールです」
「オナホールが飯なんか食うか?」
「…………食べま、せん」
 マルカが悲しげにそう言うと、ハルは満足そうにその頭を撫でてやった。
 その手の温もりは、マルカにとって被虐とは異なる快楽をもたらす。
「まぁあまり意地悪は言うもんじゃねぇな。ご主人様の特別ソースをかけてやる。ケツ向けろ」
 肉棒を目の前に突き出されて狼狽えるが、その意味がわからないマルカではなかった。
 おずおずと、彼の命令に従う。
「食い物の前でケツまんこは抵抗あるだろうからまんこで勘弁してやる。おら、おねだりしてみろ」
「はい、はい……ご主人様の、とっても濃くて美味しいザーメンソース、いっぱいかけて欲しいです……。
 私のおまんこで搾り取らせていただくので、どうかたっぷりお恵みください……」
「よくできましたっと」
 ハルは小ぶりな尻を掴み、緊張に震える彼女の膣穴を軽く陵辱してやった。
「もっと締めろ、しゃぶるんだよ、まんこでよ」
「はっ……はいっ……」
 腹筋に力を入れるマルカの穴は表面が柔らかく、肉質の良さにハルは舌鼓を打った。
 熱いのを一発、最奥に放つ。
「ひぅっ……!」
「ふぅ、たらふく注いでやったぜ。どうだ、自分が調味料入れになった気分は?」
「は、はい……気持ちよくて、最高です……」
 汗ばむマルカの秘部からは白濁液が垂れていた。
「後はどうすればいいか、わかるな?」
 控えめに頷いて、マルカは料理に跨る。
 とろりと一滴、牛肉に白が落ちた。
「んっ……」
 押し出すように腹に力を入れると、滴る精液の量は増えてみるみる牛肉は白くなる。
 その様をまじまじとハルに見られて、マルカの顔はワインよりも赤くなった。
「出が悪いな。ほじくってやるか」
 そんな事に構わず、ハルは彼女の膣穴に中指を突っ込み、くちゅくちゅと抉り始める。
「あっ、あっ」
 既に開発された幼い性はハルの指技で面白いように弄ばれる。
 白いものほとんどが出切ったと思えば、こんどは白がかすかに残った半透明の液体が牛肉に垂れた。
「おっと、まんこ汁まで出しちまった。このまま小便までかけさせてもいいが、今日のところはこれで止めとくか」
「ふーっ、ふーっ……」
 崩れ落ちるように皿を跨いで横たわるマルカ。
 ハルは丁寧に、皿を彼女の眼前に持って行ってやった。
 生臭い匂いと、塩気がほのかに混じっても尚、それはマルカの目にはご馳走に映る。
「まんこに中出しされた後にそのまましゃぶる俺のちんぽの味だな。どうだ?」
「美味しそう……です……」
 その言葉に、嘘はなかった。
「それは良かった。たっぷり噛んで食えよ。一切れにつき200回、しっかり数えろ。手は使うな。犬のように食え」
「はい……」
「それと、お前が食ってる間は俺が暇だな?」
 マルカは言われて考える。
 どう答えれば、ご主人様は満足してくれるだろうか。
 喜んでくれるだろうか。
 気持ちよくなって、くれるだろうか。
「だ、だったら……その間、私の空いたおまんこを、お使い下さい……」

 その言葉に大層満足したハルは、猫でもあやすように彼女の顎の下を撫でてやった。
「お前もわかってきたじゃねぇか。じゃあ、お言葉に甘えてたっぷり使ってやる。
 追加のソースもかけてやるから、よく味わって食うんだぞ」

「はい……!」

 マルカは彼の言葉に、至上の幸福を覚えた。
 そして宛がわれる彼の肉欲に、極上の悦楽を期待しながら、肉を口に入れる。


(おい、しい)


 マルカは立派な、オナホールになっていた。













































































「……(つーかーれーたー……)」
 ぐったり。
「あらあら、声を出すのも面倒なほどにぐったりしてますね」
 散々遊ばれて昼食を食べ切ったあたりで体力が底の底をついてしまい、何をやっても起きないくらいに気絶してしまったマルカ。
 目を覚ました時には深夜であり、ベッドの上で満月に抱かれていた。
 ハルは目を覚ました瞬間部屋から逃走した。
「……(おしりがひりひりします……)」
 満月仕込みのハルの技巧により痛みこそなかったものの、かなり過敏になったそこは数時間経ってもなお空気を感じてひくひく動いていた。
 下半身をもぞもぞと動かすのを見て、満月は指先で優しくさすってやる。
「可愛いマルカ……ほら、貴女の好きなお姉ちゃんの指先ですよ……。マルカのおしりとおまんこがだーいすきな、おててですよ……」
 皮膚一枚だけを撫でるような満月のソフトタッチが両手で行われ、彼女の敏感なところをすっと舐める。
 両穴のふちをつつつ、と愛でられて、マルカはその中心、身体の奥がじわっととろけるような快楽を味わう。
「……っ……」
 満月は僅かに震える彼女の耳元で、優しく囁く。
「甘イキ、って言うんですよ、これ。疲れ切った身体でも、身体の芯にじんわりと染み込んでぽかぽか気持ちよくなれるんです。
 眠くなったら寝てしまいなさい。夢の中でも、たっぷりお尻とおまんこ気持ちよくさせてあげますから……。
 ずーっと、おなかの中きゅんきゅんさせてあげますからね……」
 落ち着かせるようなゆったりとした低音を聞きながら、マルカは切なく甘い気持ちよさに意識を溶かされ、沈むように眠ってしまった。
「ふふふ、今度は私のおもちゃですね……」
 満月が眠った妹の耳にそっと舌を這わせる。
 マルカは夢の中でも満月に弄ばれているのか、姉の胸に顔を寄せて息を吐いた。


 その後。
「あ」
「う」
 マルカからこそこそ逃げ続けていたハルは、ばったりと廊下で彼女と鉢合わせてしまった。
「どうして逃げるんですか、私をオナホール扱いしたご主人様?」
「どうして逃げるかわかってんじゃねーか! だってマルカ気絶しちゃったから焦ったんだよこっちは! 顔会わせづれーよ!!」
 そんなことですか、とマルカはため息を吐いた。
「別に、私いいですよって言ったじゃないですか……気絶するほど気持ちよかったんですから、気にすることないですよ」
「だってさ……だってさ……調子乗り過ぎちゃったんじゃないかって思ったんだよ……満月にいつもあれくらい軽くやってるから感覚が……」
(普段からあのレベルなんだ……)
 それでも気絶どころかハルよりもピンピンしているのだから、満月の体力に引くマルカ。
「マルカ大丈夫か……? ケツかなり気合い入れて犯しちゃったから怪我とかしてないか……?」
 弱気になっておろおろする主人に、マルカが微笑んだ。
「ご主人様のせいでちょっと敏感にされちゃったけど、別に大丈夫ですよ。痛みとかはありません」
「そうか……? お前になぁ、もしもの事があったらなぁ、わしゃ切腹もんじゃけぇ……」
「どういうキャラなんですかそれ……?」
 サディストの面影がまるでないハルに、マルカは少し考えてから耳打ちした。
「ご主人様」
「! なんだマルカ!? 本当はケツが痛くて血が出てとかか!? も、もしも人工肛門とかになったら、俺はお前の面倒を一生見てやるから……!」
 違いますよ、と、頬を小突き、黙らせた所で恥ずかしそうに言う。

「きょ、今日トイレ行った時、ちゃんと、その……言ったんですよ?」
「え? 言った? 何を?」

 マルカは死ぬほど恥ずかしそうに、口をもごもごさせ、波打たせ、震える声で答えた。




「……ご主人様、って」


「……? …………!!!!」

 その意味がわかったハルに、更に続けるマルカ。




「あの……私、いつでも、ご、ご主人様用の変態ろりおなほーるだから……。

 好きなときに、いじめて下さいね……?」



 上目遣いで言う少女に。
 ハルが欲望を制御できるはずがなかった。



 【Я - Ваша вещь】
【満月ドリンクサーバー スペシャルエディション】


 うららかな朝。
 ハルは目覚めと同時に、ベッド脇の小机に空のティーカップが置いてあるのを確認し、満月を呼んだ。
「おはようございます、ご主人様」
「おう。レモンティーが飲みたい気分だ」
「かしこまりました」
 仕込みは既に完了している。言いつけ通り、満月はいつものロングスカートではなく膝上丈のミニスカートを着用していた。
 すらりと細い足には黒のニーソックスが履かれており、ガーターベルトがわずかにスカートの中に伸びている。
 ハルがティーカップを満月に差し出す。正確には、満月の股下に。
 その手はスカートをくぐり、カップは彼の目線から見えなくなった。
 と、同時に満月はその裾を両手で掴み、わずかに持ち上げてそれを晒す。
 己の秘所は、見せぬまま。
「おつぎ致します」
 くすりと微笑んだ瞬間、じょろろろろろ、と言う水音と共にカップに黄金色の液体が注がれる。
 わずかに湯気を放つそれの勢いは強すぎることもなく、は主人の手も床も一切汚すことなしにカップの中心へと送り込まれた。
 さして大きくないカップが八分ほど満ちたころに、レモンティーはぴたりと止まる。蛇口を強く締めたように、一滴も零れなかった。
「どうぞ」
「美味そうだ」
 ハルは琥珀色に透き通った液体の香しい香りを堪能してから口に含み、舌で転がした。
 口内に酸味が染み込む。甘さは控えめで、すっきりしていながらも癖になる味わいだった。
 全部口に含み一気に飲み込むと、喉の奥から有機的なアンモニア臭がわずかに漂う。
「もう一杯もらうか。入れる所をじっくり見せてくれ」
 飲み干した所でそう告げて、再びティーカップを差し出す。
「はい、じっくりとご覧ください」
 満月は口端を吊り上げ、目を蕩けさせた煽情的な表情で先ほどより高くスカートをたくし上げた。ガーターベルトの付け根が見えるほどに、高く。
 露わになった淫美なティーポットから、二杯目の紅茶がゆっくりと注がれる。
 じょぼぼぼぼ、と注がれたそれはやはり八分目程でピタリと止まり、主人の口内へと運ばれた。
「ふう、満月のレモンティーは格別だな。そういや満月も、喉乾いてるだろ?」
「はい、先ほどから乾ききっております。何か、潤いが欲しいのですが」
「じゃあ、まぁ、飲め」
「では、ありがたく頂戴致します」
 会話の間にも、ハルの股間は既に満月に剥かれて露わになっていた。
 給水口を咥える意地汚いメイドに、ハルは溺れるほどのレモンティーを飲ませてやる。
 その後で、濃厚なミルクも。






「と、まあそんな感じで今日は満月のまんこから出る液体を死ぬほど堪能したい気分だ。頼んだ」
「はい。では本日は私のおまんこ汁を、たっぷりとお楽しみください」
 テーブルに上った満月は、用意しておいたオレンジジュースの空ビンに跨り、腰を下ろした。
 ガーターベルト以外の下着を履いてないので、当然ながらビンは濡れた満月の秘所へと吸い込まれる。
「あふ、ん……」
 透明のビンの中に、わずかに水滴が垂れるのが見えた。言うまでもなく、満月の愛液である。
 満月が卑猥な上下運動を繰り返すと、ビン内には早くも水たまりができ、底面が沈んだ。
「おー」
「女性の愛液はラブジュースと呼ばれますように、沢山出すことができます。このままスクワットを続ければ……」
 運動を速くすれば、じゅぽりじゅぽりと言う音と共に愛液はみるみるビンに溜まっていく。
「と、このように簡単に溜まるわけです」
(それたぶんお前だけだぞ)
 という言葉を飲み込んで、ハルはその光景を眺めていた。
「そしてこのビンを傾けて、私のおまんこへとおまんこ汁を戻します」
 テーブルに尻をつき、一気飲みするかのように傾けて中の液を膣へと注ぐ満月。
「そのままビンでおまんこをぐりぐりとかき回し……」
 言葉の通りに、ビンの底を掴んで一人遊ぶ。空だったビンに飛沫が飛んでは、また中へと戻っていく。
「再びビンを戻すとあら不思議」
 しっかりと膣口で咥えたままにビンを立てると、直に水道口に繋いでいるかのように勢いよく愛液が流出する。
「おまんこ汁が倍ほどに増えてしまいました」
(全然不思議じゃねぇ)
 と思いつつも、ハルの股間は相当に怒張していた。
 ビンいっぱいに溜まったそれから口を離し、両手に持つ満月。
「さて、このメイドラブジュースをいかがいたしましょうか? そのままお飲みになられますか? それともお料理に?」
 僅かに曇った液体を見て、ハルが喉を鳴らす。
「そうだな、それもいいが……服を脱げ」
「かしこまりました」
 唐突な命令に、満月は躊躇うことなく自らのメイド服を剥がし始める。
 ものの五秒で、一糸まとわぬ……と言ってもヘッドドレスと眼鏡以外はつけたままの全裸となった。
 それを確認し、ハルは彼女をテーブルへ寝かせる。
 そしてその横たわる裸体に、彼女自身から出た満月汁をとろとろとかけていった。
「あ……」
 そしてふりかけ終わった後は、再度彼女の膣口へと噛ませた。
「まずは、お前毎だ。次も使うから、たっぷり溜めろ」
「はい……ですが、すぐに溢れてしまいますので、ご注意ください……」
 ハルは構わずに、粘りを帯びててかてかと光る乳房を貪った。




 カートリッジコンロの上で、鍋がくつくつと煮えている。
 火は消えているので正確に言えば沸騰はしていないが、とにかく熱した水が入っていた。
 味噌汁を作るのなら本来は具ごと煮ないと火が通らないが、鍋には味噌もだし汁も入っていない、ただの熱湯である。
 残りの材料は全て……満月の中に、仕込まれてある。
「じゃ、始めろ」
「はい」
 テーブルの上で正座していた満月は、蒸気の温度を手で確認してから、鍋の上に跨るような姿勢になる。
 先程よりも更に短いスカートは臍の下を隠すほどしかなく、もはや満月の下半身は丸見えの状態だった。
 高熱の蒸気が股間を覆うも、満月はむしろ興奮したように下半身を振るわせた。
「だし汁でございます……」
 高揚気味に言うと同時に、満月の股間から鍋に放物線が描かれた。
 まるで便器にしているかのように躊躇なく、小便を鍋に注いでいく。
 熱い蒸気が、僅かにアンモニア臭の混じったものへと変わる。
 威力を調節しているのか、水音はしても熱湯が跳ねることなく、ハルは間近で満月の痴態を愉しむことができた。
 鍋の中の色が暖色系に染まりつつあった頃に、ようやく満月の放尿は止まる。
 が、倒錯行為はここからが本番だった。
「お次は、味噌汁の具をお入れ致します……」
 尿が止まった後の秘部を広げて、主人に披露する満月。
 その膣口から、にゅるりと海藻が顔を出した。
 それが音もなく落ちるよりも早く、さいの目切りになった豆腐が生まれ落ちていく。
 満月の膣、そして子宮には、味噌汁の具がたっぷりと詰め込まれていた。
 既に火を通されたそれらの具材は形を損なわないようにしっかりと保管されていて、膣道を通って次々と鍋に投入される。
 海藻に絡んだ豆腐が次々と落ちていくのは、両生類の産卵にも近しいものがあった。
 満月の膣汁がたっぷりと染み込んだそれらの味を想像して、ハルは生唾を呑み込んだ。
 具材を全て出し切った後も、満月はパフォーマンスで自らの花弁をくちゃくちゃとかき混ぜて、どろりと濃い愛液を鍋に垂らした。
「おや、満月。味噌汁を作ると言うのに味噌がないぞ」
 近くにあった空の味噌パックを手に取り、白々しくもハルがにやにや笑いながら尋ねる。
 満月はふふ、と微笑んで答えた。
「まぁ大変です、切らしておりました。では、今からひり出しますのでよくご覧下さい……」
 舌なめずりをすると、しゃがみ込んでいた姿勢から立ち上がり、反対方向を向いた。
 そして再び腰を下ろし、先程とは前後逆に鍋に跨る。
 主人に背を向ける格好となった。いや、背と言うよりは尻だ。尻を突き出すような姿勢だった。
 もちろん、主人からは満月の生尻がよくよく見えている。張りのある尻肉も、窄まった肛門も丸見えだ。
 そして、その肛門がひくひくと歪動する。針一本入らなさそうなほど狭いその穴が、どんどん広がり……

 ぶっ。
 ぶりゅ、りゅりゅりゅっりゅっ……

 味噌を、言葉通りひり出し始めた。
 傍目には完全に鍋を便器代わりに大便をしている様にしか見えないし、尻から出る物を全て大便と定義するならそのものだった。
「あっ、あーっ、はぁっ、気持ち、いいっ……」
 そして満月にもたらされる快楽も、排便をしている時の開放感と、それを主人の前で行ったときの悦楽と同様である。
 特注の薄口味噌を腸に仕込んだ満月は、ホースよりも細いくらいの一本の味噌を尻から垂れ流していく。
 尻を前後に振り立て、そして腰を回転させるとそれに従って茶色の線も同じ軌道で鍋へと落ちていった。
 薄口と言っても、入れすぎては味が台無しになる。
 ぴったり適量を入れたら括約筋で味噌を断ち切り、余りは空の味噌パックへと勢いよく戻した。
「んっ」
 ぶちゅちゅちゅちゅちゅっ。
 携帯便器のようになった味噌パックから香るのは、紛れもない赤味噌の匂い。
 そして僅かに、女の奥の匂いが紛れていた。
「ふぅ……」
 材料を全て産み落とした満月は、おたまを手に取るとそれをまだ開いたままの尻穴へ深々と差し込み、しっかりと保持して三度鍋に跨る。
「よーく、かき混ぜます……」
 腰を艶めかしく動かすと、股下では味噌汁がかき混ぜられる。
 動きは緩やかながら、鍋の端から端までダイナミックに動かし、底に沈殿した味噌を小刻みに動かして溶かしていく。
 全体的に混ざったら満月はおたまに手をやって、火傷しないように味噌汁を指先だけに付けてぺろりと舐めた。
「……もう少し、おまんこ汁を入れてもいいですね。尿も少々」
 言葉の通り、満月はお玉をかき回しながらそれらを投入していった。
 そして、火を止める。

「……お待たせ致しました。満月特製味噌汁、もとい……
 メイドの小便と愛液と腸液がたっぷり入った、満月下半身汁でございます」

 と、言って椀に入ったそれを差し出される。
 味噌と具材はともかく、小便が大量に混入した味噌汁を主人に出すなど狂気の沙汰である。
 普通に考えて美味であるわけがない。

 が。

「臭いがむっとして、口の中で粘っこさがしつこくて……それでいて塩加減は絶妙で、喉の奥がこれを、欲しがるっ……」
 癖こそあるものの、それは決して不味くはなく。
 むしろハルの味覚には合っている上に、こんな下品極まりないゲテモノ料理を目の前の女性が作ったと考えると、股間も荒ぶってくる。
「おかわり!」
「おかわりはここにございます、ご主人様」
 と、既に鍋の中身は空っぽで。代わりに満月の下腹部が、ぽっこりと膨らんでいた。
 満月はテーブルから降りて、椅子に座るハルのペニスを取り出しながら、主人に脚を掴ませる。
「では私はご主人様の下半身汁を頂戴致します」
「おう、たんと飲め」
 上下逆に満月を抱きかかえるような姿勢となる。既に肉棒は、粘っこい温もりに包まれていた。
 ハルはたぷんとしている腹を優しく撫でて、彼女のヴァギナからそれを摂取し、満月にご馳走を振る舞った。
「あっ、んっ、あっ……」
 幼くも色づいた声が、耳に心地いい。
 ハルはソフィアの秘部を指先で軽く撫でまわしていた。
 激しい愛撫ではなかったが、そのフェザータッチのこそばゆさは、乱暴に扱われる事が多かったソフィアにとって新鮮な刺激であり、声を甘くさせる。
「だんなぁ……もっと、して……」
 酔っぱらったかのようにふにゃっとしなだれながらその快楽を味わうソフィア。
「おう、今日はたっぷり――」
 彼女のおねだりに、応えようとした瞬間。
 サイドボードの上に合ったハルのスマホが光り、機械音声が響いた。

「『金無双永世大魔王』さんがログインしました」

「はっ……?! 金魔王くん生きてたの……!?」
 すぐさまハルはソフィア弄りを中断し、ダッシュでその場から離脱していった。
「だ、だんな!?」
「すまんソフィア! マルカにでも犯してもらってくれ! 俺はちょっと急用ができた!
 満月ぅぅぅぅぅ!! コーヒーとドーナツ用意してく……」



「えぇー……」
 一人取り残されるソフィア。
 まさかこのタイミングで、この状況下で、ハルが将棋を優先するとは……。
 そう思いかけて。
(……そういう人なんだよなぁ)と、ため息を吐いた。
「だんなはアホで変態でロリコンで出不精でアナルと小便が大好きなキモい人で、おまけに病気レベルの性欲よりも対局を優先する将棋バカでさえなければ言う事なしの金持ちイケメンなんだけどな……」
 マルカにでも犯してもらってくれと言われても……ソフィアはマルカの事を、
『姉と言うよりは恩があるかわいい中型犬♀(こちらを性の対象にしている)』
 と言った目で見ているのでそういう気にはならない。
 もっとも、彼女の方から過剰なスキンシップ……を通り越した性行為を求められた時は、別に嫌でもないし拒みもしないが。
 つまるところ、今の彼女には盛り上がった自身の性欲を鎮めるには……自慰しかなかった。
「うーむ……どうやってしようか……」
 半裸になっていた少女は、仰向けに寝転がった体勢から足を持ち上げて……
 そこで、あることに気付いた。
「これは……いけるかな?」


【やわらかソフィア①】


「はぁ……くそっ、まさか既に三面打ちしてるとは……」
 自分が有利なハンデ戦が嫌いなハルは、先客が三人もいるのを見てメッセージで煽るだけ煽り、とぼとぼと来た道を戻っていた。
「ソフィアには悪いことしちまったな……ドーナツで機嫌直してくれるといいが……」
 満月に対局用に持ってきた貰った皿とグラスを持って、廊下を歩く。
 もしもマルカとちちくり合ってたら、こっそり盆だけ置いて居間で昼寝でもしよう。
 そう思って寝室に入る。すると。
「んちゅっ……れろっ、ちゅっ……んん……」
 そこにあったのは意外な光景……と言うより、中々に衝撃的な光景であり、ハルは危うく盆を落とすところだった。
「そ、ソフィア、お前……」
「んー? あ、だんな。おかえりー……将棋はいいの?」
「あ、ああ……」
 ソフィアはなんでもなさそうに、自慰を中断して言った。
 彼女は足を頭上に投げ出すようにして、体を丸めて自らの秘部を口で慰める……
 所謂、セルフクンニを行っていたのだ。
「え、何お前……そんなに身体柔らかかったの?」
「ん? んー。つってもクリトリスになんとか舌が届くってくらいだけど」
「いや、くらいじゃないだろくらいじゃ……ちんこがある分まだ男のセルフフェラの方が簡単なんだぞ。俺全然出来ないけど」
「色々な体勢でヤってたからかなぁ……そこそこ身体柔らかいんだよね、あたし」
 開脚し、足を180°広げたソフィアはベッドに尻をつけ、上半身を前傾させる。
 見事にその顎が、シーツに乗っかった。
「いやすげーよ……バレエやれば?」
「やだよ面倒くさい。お上品なスポーツは合わないよ」
 バレエってスポーツなのか? と言おうとしたところで、ハルはあることを思いついた。
 品がない笑顔で、ソフィアの尻を撫でて囁く。
「じゃあ、下品なことに付き合って貰おうかな」
「……途中でどっか行ったりしないなら、いいよ?」
 未だ絶頂に至っていなかったソフィアの表情も、上品なものではなかった。


「どうだソフィア。苦しくないか?」
「おっけーおっけー。ぜんぜん大丈夫。しかしだんな、こういうの好きだね」
 例によって浣腸を済ませ、シャワーを浴びて下半身を重点的に綺麗にしたソフィアは、穴の空いたテーブルに取り付けられていた。
 椅子に座るハルから見れば、テーブルの中心から少女の下半身……尻と膣が上下逆になって生えていると言った光景になっている。
 その下では仰向けの姿勢から体を丸めたソフィアがベルトで固定されており、首が自由に回せるように肩までのクッションが敷いてある。
 ハルがちょっと椅子を寄せれば、丸出しになったペニスをぺろんと舌で迎えてくれた。
「あまり長時間そんな体勢だとどっか痛めそうだし、そんな長くはやらんつもりだが……どっか痛くなったり苦しくなったら、俺の足を手で叩いてくれ」
「わかった。もっと椅子前に出していいよ。って言うか出して」
「欲しがりめ」
 言うとおりに椅子を少し……10㎝ほど前にずらすと、ペニスが温かい感触に包まれた。
 舌は貪欲に尿道口を弄り、カリ首を撫でまわしていく。
 ソフィアの積極的なフェラチオは、幼く体温の高い身体と相まって気を抜けばすぐに出てしまいそうになる。
「最初から飛ばしすぎだ。まだこっちは準備できてないんだからもうちょっとソフトに頼む」
「ふぁーい……んっ」
 テーブルから突き出た尻をつつくと、ぴくんと震えて反応した。
 このテーブルは元々、好事家が売りに出していたものなのだが……実際買ってみると満月が入るには穴が小さく、使えなかったものであった。
 小さい子になら使えるかもと思って、すっかり忘れていたものだ。元々の好事家がそういう趣味だったのだろう。
 ハルはまず、その幼い膣に蜂蜜を垂らした。
「ふぁんっ……」
 生暖かい感覚に、ソフィアがくぐもった声を漏らした。
 少女の閉じた秘部は黄金色の艶を出し、ひくりひくりと小さい陰核が歪動して顔を出す。
 そこを、焼いてから少しだけ置いた温かいパンケーキで撫でてやった。
「んん~っ!!」
 蜂蜜がよく絡むようにパンケーキを執拗に押し付けて、ゆっくり磨くようにこすってやる。
 揺れる下半身全体。パンケーキを一旦皿に置き、今度はバターをひとつまみして、尻肉の間にと落とす。
 常温でしばし置いたバターを尻肉で挟んで、よーく揉みこんでやると……尻はすっかりと、油で塗れて白みを増した。
「ふぁむぅ……」
 バターと同じかそれ以上に蕩けた、ソフィアの声。
 すっかり滑りのよくなった尻の間に、先程のパンケーキを挟んでやる。
 そして、押し付けるように敏感な部分をパンケーキで擦ってやると。
「んっ、ふぁっ、んん……っ!!」
 艶めかしい声と同時に、ソフィアの秘部から蜂蜜よりも濃厚なシロップがとろりと染み出てきた。
 ハルはそれをパンケーキで拭き取り、甘しょっぱいそれに齧り付く。
 少女の蜜の味に、陰茎が滾る。
 それを感じ取ったソフィアは、ここぞとばかりにそれを貪った。
 下品な音を立てて、美味しい美味しい主人のソレを頬張り、舐めしゃぶり、啜っていく。
 ハルもまた、溢れる彼女の愛液を何度もパンケーキで掬い取っていく。
 お互いの体液を求め合う二人。ハルは自分が絶頂しそうになると、パンケーキ越しに彼女の陰核を摘み、包むようにして虐めてやった。
「~~~~~っ!!」
「出るぞっ……」
 射精と同時に、目の前の尻が跳ねる。
 ソフィアの喉が動いたのが、下半身に伝わってきた。
「……まだいけるか?」
 椅子を少し離して言うと、ソフィアは息を切らせながらも返してくる。
「はぁ、はぁ、はぁ……だんな、大丈夫、だから……もっと、しちゃって、いいよ……。
 
 もっと、あたしを、食べて……?」
 
 少女は、軽度のマゾヒストである。
 過剰に痛い、苦しい事は嫌い……と言うより、激しい恐怖に襲われるが。
 愛情を持って、体を気遣われながらの軽い痛み。苦しみ、辱めは。
 ソフィアにとって、股を濡らす材料でしかない。

 
 
sage