エロゲーのメソッド

※この物語はフィクションです。犯罪行為は真似しないでください
※エクスタシーとはMDMAのことです








 『あなたの人生において、最良のときはいつだったか』。今際の際に尋ねられたなら、どう答えるべきだろう。秀夫は幾度か考えたことがあった。
 齢が四十を超えてからというもの、人生は凪のようだ。苛烈と思われた社会競争は、平行線のまま惰性に突入した。経済生活は安定し、かといって輝かしい名誉は与えられない。周りを見回せば、疲弊した先人たちが示してくれる、自身の未来。送る生涯に見当をつけたことが、先の問いを考える一つの理由だった。
 決定的だったのは病床の横で聞いた遺言いげん。癌で死んだ父が言うには、秀夫という子が生まれたときこそ、最良であったと。秀夫はこの言葉に涙した。親の鑑とはこういう人を言うのだ。そして、同時に戒められる。ならば自分は、と。
 以来、秀夫は自問するごと思うのだ。人生において最良のとき。それは、新作エロゲーを買った日に違いない。


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 アーケードのメ○ンブックスを出て、新都駅で電車に乗ってからも、秀夫は空想のただ中にいた。座席の足元には紙袋が置いてある。中にはもちろん、待望の新作エロゲーが。
 この時間、車内には乗客が多い。うち何人かはウキウキ笑顔の秀夫を訝しがる者もいた。特に、正面に座るヤクザ風の男は、只事ではない目つきで睨んでくる。だが、他人の目など気にしていた時代も今は昔。自宅に帰り、ゲームをインストールする瞬間だけを心待ちにする秀夫である。
「こころ、浅華、真来菜、美希……」
 ヒロインたちの名を唱える。
 購入前からすでに、予習は完璧だった。登場人物の名前、担当声優、あらすじ。すべてをそらんじることができる。エロゲーは発売前が勝負だ、とは同好の士の談。秀夫はこの至言を深く心に刻んでいた。
 というのも、エロゲーは値段が安くない。予約特典や凝ったパッケージでオトク感を演出するものの、フルプライスで購入すれば手痛い出費だ。さらに、エロゲー市場は玉石混交、魑魅魍魎。下手を打てば、特大地雷を引き当てることになる。
 爆死を恐れず、前情報を一切入れない猛者も、いるにはいる。『分の悪い賭けほどおもしろい』を地で行く彼らはしばしば、悲痛な叫びでもって己の存在意義を証明してみせる。後続はその屍を踏みつけ、地雷を避けるという寸法だ。勇敢な男たちに、感謝の念を忘れてはならない。
 しかし秀夫は、勇者たちとは考えが違った。つまり、エロゲーの本旨とは、発売に至るまでのお祭り感なのである。
 公式サイトがオープンしてから、徐々に露わになっていく情報。ヒロインの立ち絵で一度抜き、サンプルボイスでもう一度抜く。スリーサイズでまたも抜き、サンプルエロCGの枚数分抜き、その後も追加されるたびに抜く。体験版はもちろん周回プレイし、発売日までのカウントダウン動画も欠かさず視聴する。ここまでやっておけば、たとえ本編がクソゲーだったとしても悔いはない。穏やかな気持ちで積むことができる。
 『購入→積む』の流れは一種の麻薬だ。ひとたびハマれば、取りつかれたように繰り返す者もいる。ある穀潰しは、エロゲの塔を積みすぎたことによりゴッド(親)のいかずちを受けたとされているが、それはおそらく穀潰しなのが悪い。
 今日購入した作品、“朝焼けの空、新都の夏”(通称:朝夏)に関して、秀夫は特に詳しかった。なぜならば、情報を集める期間が存分にあったからだ。
 “朝夏”が発表されたのは三年前の春である。ゲームのテーマに合わせて、その年の夏に発売される予定だった。しかし、開発は遅延に次ぐ遅延。公式SNS上で、開発スタッフが行方不明になったなどという文言が踊ることもあった。作品宣伝用ラジオは延長を繰り返すごとに人気が上昇、現在まで続く長寿番組になった。そして、いまは冬。長い時を経て発売にこぎつけたのは、作中とは真逆の季節だった。
 極端に延びた発売について、辛い評価を下す者は少なくない。開発はとうに頓挫していたのではないか。費用回収のためだけに未完成品を売りつけるつもりではないか。疑る声も処々しょしょから上がった。情報は錯綜、混乱の最中にあって、それでも秀夫は泰然自若としていた。
 “朝夏”は名作だ。磨き抜かれた選定眼と長年の勘が告げている。黎明期より続いてきた『学園純愛モノ』というジャンルにおいて、“朝夏”の存在はマイルストーンになる。秀夫の胸は期待にはち切れんばかりだった。
 電車が目的地に着く。扉が空気を吐き出すと同時、秀夫は走った。周囲の冷たい視線など意にも介さず。体が軽く感じる。外へ出ると、浮かび上がってしまいそうな心地さえする。自宅へ向かって猛ダッシュ。体が軽い、体が――
 軽すぎる。気が付いたとき、秀夫は立ち止まった。現実に戻り、自身の体を検める。これといった不調はない。ケガなど一つもしていない。手足もきちんとついている。唯一、手にぶら下がっているべき紙袋だけが、見当たらなかった。
「あ」
 秀夫はとびきり間抜けた声を出した。直後、電車の出発を告げるベルの音。それは、遥か後方で鳴り響く。
「あああぁぁぁぁ……」
 駅前の往来。崩れ落ちた中年に同情を寄越す者はなかった。
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 新都駅で乗車してきた男が対面に座ると、銀二の気はピンと張りつめた。男の足元には紙袋がある。これが例のブツなのだろう。確かめるように男の顔を見た。しかし、視線はかみ合わない。男はあらぬ方向を見つめ、不気味な笑いを湛えている。
 銀二はハッと気付き、目を伏せる。
(しもうた。なんちゅー初歩的なミスを、ワシは)
 取引において重要なこと。互いの関係性を周りの人間に悟られてはならない。基本中の基本だ。
 エクスタシー(※)の売り子を募集する書き込みがされたのは一週間前、某大衆掲示板でのこと。“とても尊い水”の大量残品以来、シノギに飢えた銀二にとっては神の啓示に等しかった。
 ネット上の依頼は冷やかしが多い。わかってはいても、現場に向かう足は止められず。だが結果、こうして取引相手は現れたのだ。銀二は口元が吊り上がるのを堪えられなかった。
 中学校卒業から現在まで、銀二は闇稼業一筋で生きてきた。学はないが、生命力と狡猾さなら誰にも勝る自信がある。ドブネズミのようだ、と同業からは揶揄されるが、彼にとってそれは称賛だった。
 泥水を啜って生きてみせる。鉄の覚悟は風貌にもあらわれ、眉間に深い皺を刻んだ。仁王のごとき顔面は、一見して「カタギでない」と知らしめる迫力がある。
 それに比べて。正面の男はあまりに凡庸だった。まず、表情には覇気がない。体型もだらしなく、全身に柔肉がへばりついているようだ。服装や髪型こそ整っているものの、繕っただけという印象は拭えない。
 まるで、ただのひなびたサラリーマン。しかし状況からすれば、男も銀二の同類のはず。いやむしろ、薬をばら撒く元締側の人間なのだから、位は一つ上かもしれない。能ある鷹は爪を隠すという。周囲を脅かす威嚇ではなく、擬態こそが強さなのか。銀二は男に感心していた。
 電車が終点に停まる。扉が開くと同時、男は速やかに去っていった。残されたのは例の白い紙袋。
(やっぱり取引は本当だったんやっ!!)
 他の客が降りるのを待って、銀二は袋に飛びついた。喜び勇んで中を確認する。
 そして、混乱に突き落とされた。見開いた目に映ったのは、箱いっぱいに描かれたコケティッシュな女子おなご。合成麻薬とはまったく別のエクスタシーをもたらしそうな。銀二はその存在と名称だけは知っていた。
 ――いわゆる、エロゲーというやつだった。


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 六畳一間の自室に戻ってから、銀二は改めて荷物を確かめた。しかし、何度見ても変わらない。ゲームパッケージはダミーで、中にブツが入っているかもという目論みも外れた。得られたものはインストール用のディスク一枚のみ。
 銀二は考えた。結局、取引は失敗したのか。いやそもそも、取引は存在したのか。
「……全部……全部、ワシの勘違いやったのか」
 わなわなと震える。
 売り子の募集など真っ赤な嘘で。電車の男は一般人。単に車内に忘れ物をしただけ。状況を鑑みれば、そう考えるのが自然だった。
「ド畜生っ!! ド畜生っ!!」
 銀二は部屋中を暴れまわった。隆々とした腕を振り上げ、“とても尊い水”を殴りつける。
泣きっ面に蜂とはこのこと。いくら怒りを爆発させても、時間も金も返ってこない。行き場のない後悔は台風のように荒れ狂った。
 やっと破壊が収まるころ、銀二は肩で息をしていた。紅潮した顔で辺りを見る。商品や家電が散らかり、惨状と化す室内。その端に、エロゲーが転がっている。下着をチラ見せするパッケージの女は、挑発しているかのようで。
「こんなもの……こんなもの……っ」
 箱を片手で鷲掴む。勢いのまま叩きつけようとして、思いとどまった。
 どんな物でも大切にしよう、などという良心からではない。浅ましい打算からだ。薬が手に入らなかったとはいえ、エロゲーは今日の戦果である。また、オタクグッズには高値で取引されるものもあるという。転売すれば、一儲けできるかもしれない。生活への切実さから、銀二の頭はめまぐるしく回った。
 早速、デスクトップPCに電源を入れる。相場を調べるため検索ページを開いたところで、またも手が止まった。自慢の顎髭の撫で、考え込む。
 転売という稼ぎ方について、銀二にはポリシーがあった。バイヤーは商品について、誰よりも詳しくなければならない。市場が認める価値について、誰よりも知っていなければならない。
 エロゲーの取り扱いは今回一度きり。オタクの世界に踏み込む必要などないはず。理屈では正しい。だが、彼のプライドは小さく声を上げ、存在を主張した。商品について門外漢など、それではまるで素人ではないか。
「まあ、せめて、触りくらいはプレイしたろか」
 迂闊だったと言わざるを得ない。


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 ゲーム開始早々、幼い女子が注意を述べた。曰く、ゲーム内に登場する人物はすべて18歳以上であるらしい。銀二は衝撃を受けた。幼い女子だと思っていた彼女は、幼い女子ではなかった。成熟した女だったのだ。本人が言うのだから間違いない。
「こんな若作りがおるもんなんやな」
 疑惑を飲み込んで、ゲームを進める。
 物語は主人公らしき男の一人語りから始まった。男はどこにでもいる平凡な学生。ただし、親は海外出張に行っており、家では従順な妹・こころと二人暮らし。隣の家には幼馴染・真来菜が住んでいて、あれこれ世話を焼いてくる。学校では、才色兼備な生徒会長・浅華に一目置かれ、小悪魔な後輩・美希に性的イタズラを仕掛けられる日々。
 銀二は衝撃を受けた。もし中学から“学園”という所に進学していれば、女に囲まれる毎日が平凡だったのだ。
「羨ましい限りやな」
 ひとりごち、テキストを読み進めていく。
 やがて、銀二は選択を迫られた。懇意になった女の中から、付き合う相手を決めなければならない。ぬるま湯のようなハーレムから一転、苦渋の選択肢。彼はマウスを持ったまま呻き声を漏らした。
「どないすればええんや……」
 各ヒロイン、それぞれに捨てがたい魅力がある。幼馴染・真来菜は一途に主人公を愛してくれる。生徒会長・浅華は母親のような包容力がある。後輩・美希との掛け合いは親愛とユーモアに溢れていた。妹・こころとの、インモラルな恋愛も捨てがたい。
 一つを選ぶということは、他を切り捨てるということ。可能性という残酷さに、銀二は打ちのめされた。
 小一時間悩んだ挙句、やっとのことでカーソルを動かす。
「会長っ、ワシは会長のことが好きやっ」
 雄たけびとともに、選択肢をクリックする。しかし、場面は固まったまま次に進まない。……否、銀二はクリックをしていなかった。人差し指が石のように硬直したのだ。
「な、なんでや、なんで指が動かん。ワシは浅華と添い遂げるんや」
 繰り返しクリックを試みても、体が言うことを聞かない。困惑の渦中、脳裏に幼い声が届いた。

『えへへ、ねぇ、大人になったら私をお嫁さんにしてね、絶対、約束だよ』

 銀二を押しとどめたものの正体。それは、前半の回想シーンで聞いた、幼馴染・真来菜の言葉だった。台詞はリフレインし、狭い一室を埋め尽くす。淀んでいた空気が取り払われ、心の趨勢までもが入れ替わった。
「真来菜あああぁぁぁっ!!」
 銀二は絶叫した。走馬燈のように、真来菜と交わした会話がよぎる。幼少のころより、主人公を想い続けた健気な女。しっかり者のようでいて、その実、主人公に依っているところがある。にもかかわらず。だとしても。仮に他の女とくっついたとて、真来菜はふてくされたりしないだろう。満面の笑顔で祝福し、独り自室で涙を流す。そういう女なのだ。誰よりも弱く、優しい女なのだ。裏切ることなど、できようはずもない。
「すまん、浅華、すまんっ。ワシは真来菜を幸せにしてやらなくちゃならんのやぁっ!!」
 万感の思いを込め、銀二はマウスを握りなおした。


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 ゲームを終えた銀二は、未だPCの前にいた。椅子に座ったまま、部屋の天井を見上げている。約24時間、丸一日。彼は休憩も挟まずプレイし続けた。食事も摂らなかったために頬はこけ、表情も虚ろ。流した涙は乾ききり、顔にうっすらと筋を残している。抜け殻になった男を、誰がドブネズミなどと呼ぶだろう。強いて挙げるならば、即身仏こそたとえにふさわしい。
 実際、銀二は一種の悟りに至っていた。
 四人の女子と過ごした濃密な時間。あるときは、ヒロインが抱える家庭問題を根本から解決し、大団円の結婚式を迎えた。あるときは、生徒会の一員として生徒をまとめ上げ、理不尽な教師たちに正義の鉄槌をくらわせた。あるときは、実妹と恋に落ちた末に街を出て、二人でひっそりと生涯を終えた。あるときは、神社の巫女として悪鬼と戦っていた後輩を助け、世界を救った。
 銀二は幾つもの時間軸を辿って歩いた。そしてすべての世界線において、重要なのは愛だった。愛の名のもとに結ばれた人間は無敵。愛の前に、あらゆる困難は細事に過ぎない。
 銀二は思い至る。エロゲーとは、信仰だ。人間が人間らしくあるためには、拠り所となるものが必要なのだ。それはつまり、理想――完全なるもの。真善美を兼ね備えた目指すべき、されど手の届かない到達点。美少女とは神だった。エロゲーマーとは生き方だった。
「……闇稼業からは、足を洗おう」
 悟りと同時に、もたらされた結論。身過ぎ世過ぎだけならば獣と変わらない。これからは、愛のために生きるのだ。
 決意してからの銀二は行動が早かった。液晶に向かい、四人の女を落とした指でキーボードを叩く。エロゲー販売サイト、批評サイト、感想サイト。目につく限りを飛びわたり、文章を書き込んでいく。“朝夏”は名作、“朝夏”は最高、“朝夏”こそ人生のバイブル。次々に湧き出してくる言葉は留まることがない。銀二は生まれて初めて、誰かから奪うのではなく、与えることで糧を得られると知った。この啓蒙活動を終えた暁には、究極の世界平和がもたらされるだろう。彼は確信し、夜明けへの時を過ごすのだった。
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 “朝夏”の代わりにと購入したエロゲーは、悪くないデキだった。秀夫はエンドロールが流れる画面を前に、感慨に浸る。
 あの紛失事件の後、“朝夏”を買いなおすことはしなかった。予約の時点で特典は手に入れていたし、なにより、エロゲーの魅力は発売前。“朝夏”の楽しみはほとんど味わい尽くしたと言っていい。……ならばもはや、どのエロゲーも購入する必要がないのでは? という疑惑が胸に湧いたが、秀夫は努めて無視する。
 時刻はもう深夜。五人のヒロインを突貫で攻略したため、疲れもひとしおだ。
 重たい瞼をしばたかせていると、台所で音がする。
「お、沸いたか」
 秀夫は腰を上げた。
 無人の台所に行くと、やかんが湯気を吹いている。コンロの火を止め、用意していたカップ麺に熱湯を注いだ。
「おっ、おっ、おっ、おっ」
 たちまちカレーの匂いが立ち上り、鼻腔をくすぐる。
「くぅ~~っ」
 思わず、歓喜の声が漏れる。実家を離れて暮らすようになってから、年を追うごとに独り言が増えていく。本人にも危機感はあったが、だからと言ってどうなるものでもない。
「エロゲ、エロゲ、エロゲー……っとぉ」
 箸を咥えたまま、スキップでPCの前に戻る。見ると、映し出されたメニュー画面はクリア後仕様のものに変わっていた。
「粋な演出だぁ」
 スタッフの心遣いを噛みしめ、秀夫はCG鑑賞と音楽鑑賞に移る。
 収録されていたオープニング曲のフルバージョンを聞きながら、彼はふと考えることがあった。そういえば、“朝夏”の巷での評価はいかほどだろうか。なんとなく見るのが怖いような気もしたが、検索する手は止められない。
 感想サイトを一通り回ると、大まかな評価はすぐにわかった。
「やっぱりみんな、怒っているんだなぁ」
 発売が延期したことも関係があるのだろう。感想は辛口のものがほとんどだった。ボリュームが少ない、全体的に古臭い、謎シリアス、後輩ルートの展開が突拍子もない。内容は様々。裏返せば、致命的な欠陥はないということだが、酷評の意見を目にするたび、秀夫は慰められる気持ちになった。駄作に時間を割かれなかった分、むしろ紛失は功を奏したのだ、と。
 ところが、何気なく画面をスクロールした先で、風変わりな感想を見つけた。それは、シナリオの細かな分析や他作品との比較など一切なく、ひたすら“朝夏”を絶賛する内容。ヒロイン一人一人への愛を語り、誰もがプレイするべきだと勧めていた。拙い日本語で書き散らされた文章だったが、秀夫は嘲笑する気にはなれなかった。胸を打たれた。
「しばらく忘れていたなぁ、こんな気持ち」
 エロゲー初級者であろう彼の感想には、純粋な愛があった。無論、秀夫にも愛はある。エロゲーへの愛情は誰にも劣らないと自負している。だが、エロゲーを初めて二十年、過ぎ行く時間の途中で、いささか錆び付いてしまったのも事実だった。
 “朝夏”は買いなおそう。秀夫はあっさりと翻意し、通販のページを開いた。商品をカートに入れ、支払いを済ませる。
「楽しみだなぁ、楽しみだなぁ」
 天井を見つめ、浮かべた笑顔は少年のようだった。
sage