あえてゆっくりと、でたらめに

11.あえてゆっくりと、でたらめに

最近は1日1食のご飯もなんだか食べるのが億劫で、お酒と一緒に流し込んでようやっと生活を維持している。生きるのには全く関係ないけれどもとにかく面倒くさいことが山のように積み重なって、自分の脳みそをゴリゴリと削っている、そんなような気分だ。でも、そんなことは自分以外の人にはまったく関係ないことなので、置いておこうと思う。

この前の話になるのだけれど、フと思い立って引っ越しをした。大量の本以外、持ち物はほとんど無かったので、手続きをしてその日のうちに完了だ。今までは街の中でも少し高い場所に住んでいたけれども、今度からは下の方の川沿いの部屋だ。ごちゃごちゃとした街並みがさらにごちゃごちゃになり、今すぐにも迷子になりそうでなんとなくワクワクする。たぶん、酔っ払ったら帰ってこれないだろう。

引っ越し祝いを肴に、窓辺に座って、ゆっくりと、じっくりと、お酒を飲む。この前買って冷凍しておいたウォッカだ。するすると胃に収まっていくし一気飲みしようと思うけれど、もったいないのでやめる。瓶に満ち満ちと溢れているお酒が手元にあるのはとてもいい気分。でも、飲むたびに減っていくのは悲しいことだ。そのうち空っぽになってしまうなんて、考えたくもない。ゆっくりと、じっくりと飲むべきだ。ただ、酔いが回ると一気に飲み干してしまうのだけれども。

酔いが回ってきて、いろいろなものに悪態をつく。ぐでんぐでんになると、普段おさえつけているのか、あるいは自分でも理解していないような、世の中のいろんなものへのむかつきが表層に押し上がってくる。自分はとにかくいろんなものが嫌いだ。我が物顔の窓ガラスが嫌いだし、のっぺりとした床が嫌いだ。無機質なビルが嫌いだし、ニコニコ笑ってる人が嫌いだ。怒っている人はもっと嫌いだけれど。蛍光灯の明かりの白さに腹が立つし、夜の無駄な暗さに胸がいっぱいになる。騒ぐ人が嫌いだし、画一的な何かはもっとデタラメにならないといけない。淀みの中に沈み込んだギターをかき鳴らす。汚いものは嫌いだけれど、綺麗なものはもっと嫌い。自分のことは嫌いだけれど、こんな風に自己批判を展開している分には好きだ。ただ、そんな姿勢を肯定している自分は大嫌いだけれども。頭のなかでえんえんとぐるぐる廻る思考をどこかに捨ててこよう。