ガスコンロ組曲

16.ガスコンロ組曲

この前ガスコンロを買ったおかげで、いろいろなことができる。まず、あったかい、インスタントじゃないコーヒーが飲める。キチンとペーパーで落とすやつだ。鍋とフィルターと、落とす時の器(名前は知らない)が必要で、これも結局余計な出費ではあったけど。それに、あったかい紅茶も飲める。今まで水出ししたアールグレイばかり飲んでいたから、これもなかなか新鮮だ。

あと、今までお腹が減った時は角砂糖をガリガリ噛んでたけど、今後はコーヒや紅茶に溶かして優雅に摂取することもできる。今まで、なんで導入していなかったんだろう? 火は人類の英知だというのに。それにお蕎麦やらウドンやら、いろんなものが作れる。今までなにか作る時は知り合いのところに行って火を借りてたから、今後は部屋で、ふつうの人のような、至極まっとうな食事がとれてどんどん健康的になっていきそうだ。

ところで、自分はカフェインにとても弱いらしく、お酒よりひどい酔い方をする。最近は慣れてきたけれど、以前はコーヒーを1~2杯飲むだけで、冷や汗、頭痛、嘔吐、不安、その他もろもろに襲われていた。不思議と、カフェイン濃度の高い紅茶では起こらないから不思議だけれど。アルコールでも日本酒は酔いやすいとか、焼酎は酔わないとか、そんなのがあるけれど、カフェインにもそんなものがあるのだろうか?

3日ほど前から、かなり久々にシラフでいる。振戦もこないし幻覚も出ない。なにやら普通の人間に戻ったような気がする。なんで飲んでいないのかというと、お金がないからだ。コンロやら鍋やら色々なものを買ったせいで。仕方がないから、橋のたもとで辻占いをしたり、絵を描いて売りつけたり、ノコギリを適当にかき鳴らしたり、知り合いの家に転がり込んだりしようと思う。街の中で宙を見上げると、空が見えないほどの橋と通路と洗濯物。これだけ人がいるのだから、適当に何かやっててもお金は懐に入ってくる。