十三の二

 昼食休憩時、対局室。
 定刻七分前ではあったが、手番である竹中がこのままという意志を見せた為、持ち時間から七分を差し引いて、早めの休憩に入った。響よりも一時間近く多く残していることもあるだろうが、何より、盤上の優勢を意識しての判断であろう。
 先に部屋を外した竹中の背を見送る事も無く、響は盤へ向いていた。
「棋譜を」
 部屋に残っていた記録係へ、視線は盤上へ向けたまま、声だけをかけ手を出すと、間を空けず一枚の紙が手に置かれた。

 ――先7六歩、後3四歩、先2六歩、後8八角成、先同銀、後2二銀、先3八銀、後7二銀、先3六歩、後6四歩、先2五歩、後3三銀、先3七銀、後4四歩、先6八玉、後6三銀、先7八玉、後5四銀、先7七銀、後3二金、先5六歩、後5二金、先4六銀、後4二玉、先3五歩、後4三銀、先3四歩、後同銀右、先3六歩、後7四歩、先6八金、後7三桂、先3五銀、後同銀、先同歩、後8四歩、先9六歩、後8五歩、先5五歩、後3一玉、先5四歩、後同歩、先3四歩、後同銀、先7一角、後8一飛、先4四角成、後4三金右、先1一馬、後8六歩、先同歩、後8五歩、先5三歩、後8六歩、先8八歩、後2二銀、先1二馬、後8二飛、先6三銀、後5三金、先7四銀不成、後6五桂――
 残りは先手三時間、後手二時間。