曲がり角




 曲がり角、いつだって曲がり角だ。俺はその先を見ようとしてる。錆びつきやがった安楽椅子に萎えた足をべったり落ち着けて、牢獄みたいな透けてる四角形から俺は曲がり角を見ている。首をよじって、唇から空気が流れ込む。あの塀の角、そこを曲がったら何があるのだろう。当たり障りのないアスファルトの小路が続いてるだけって分かってる、それでも俺は考え続ける。あかるい午後の陽射しに顔を優しく焼かれながら少しずつ悪くなっていく視力なんてどうでもいい、俺はいつまでだって考え続ける、あの曲がり角の向こう側。



sage